自分が今住んでいる町を大切に思うこと
シビックプライド(Civic Pride)とは、「都市に対する市民の誇り」です。
自分が・・・今…暮らしている土地に対して愛着と誇りを持つことが、シビックプライドが民主主義の原点です。
郷土とは自分の生まれ育った土地、ふるさとのことです。
生まれ育ったところには、誰しも格別の想いがあって、もちろんそれは快く思うことばかりではなく、嫌な想い出、あるいは思い出したくない------、二度と戻りたくない場所ということもあると思いますが、それらも全部含めての想い‐‐‐。そして心安らぐ場所、自分を回帰する懐かしい場所、心地よい居場所でもあり、人にとっての原点と言える場所と言えるでしょう。
また、生まれ育った土地に限定しなくても、今、あるいは過去に住んでいた、生活の基盤がある場所、人の生活、一人ひとりの暮らしに密着した場所・土地で、自分が一番豊かに穏やかに過ごせた場所のことをその人にとっての郷土と言えます。
転勤族の人や利便性や仕事の関係で、あるいはやむにやまれず寝に帰る場所という印象しか持てない人もいらっしゃるかもしれませんが、私としては寝に帰る場所ではなく暮らす場所として捉えて欲しい…と強く思います。
何処の土地に暮らしても、私のようにその土地で生まれ育った人だけでなく、結婚をして、また色々な事情から、あるいは自分の意思で他の土地から移り住んでこられた人が多くいらっしゃいます。住んでいる人が、その土地で少しでも暮らしやすくなるためには、やはり一人ひとりがその土地をよくしていこうとする気持ちが大切だと思います。
たとえ仮住まいであったとしても、あるいは過去・現在に大小の諍いがあったとしても、いつまでも無関心でいたり、拒絶していたり、憎み続けていたら、将来に対する禍根を残すだけで、誰にとってもプラスにならない、決してその場所は暮らしやすくはならないと思います。
ただ言えるのは理念や理想、思想は大切ですが、人が生きていくことの方が優先されなくてはいけないはず、頑なにその理念や理想に固執しているだけでは、惨事や悲劇を長引かせるだけで誰も幸せになれないと思います。
自分が描いた理論や理想に近づけるためにも、先ずそこで暮らす人たちが生き抜くことが優先、そして拘りや執着心を捨てて、過去からの因縁やわだかまりに囚われず、今、何が正しくて、何が必要なのかを見極めながら話しあうことが最も求められているような気がします。
郷土への思い(愛)というのは、一人ひとりの暮らし、生き方、思い、利害などが複雑に絡み合った計り知れない感情だと思います。何処の土地にも、そこで暮らしてきた人たちによって築かれた長い歴史と伝統があり、文化があり、そして日々の生活があります。郷土には、人が生きてきた証があり、人生の軌跡があります。
しっかりとその土地に根を張ることができた人は、自分だけでなく、家族を育て守っていてくれる土地に感謝の気持ちが持てる・・・。そうして自分の中に郷土への愛着と誇りが醸成されていくのだと思います。