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2021年10月11日 (月)

良寛さんの生き方に学ぶ

29176231[1]
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「うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ」
 
(自分の良いところも、悪いところも、隠さずにすっかり見せたから思い残すことはない)
 
「形見とて
    何か残さむ 春は花
       山ほととぎす 秋はもみじ葉」
 
(残そうとしても何かが残るという世界の仕組みではないし、残るべきものとしてあるものは、人の手を離れてすでに残って、ある)
 
辞世の句と言われています。
こんな良寛が多くの人々の心をとらえて離さなかったのはなぜなのでしょうか? 一見自由気ままに作られたようにみえる漢詩や和歌を深く読み解いていくと、その理由がわかってきます。
 
「透徹した自己への洞察」「すがすがしいまでの清貧さ」「人や自然への温かいまなざし」「老いや死に向き合う強さ」等々……良寛の漢詩や和歌からは、全てをことごとく言葉で書き尽くすことで人生全体を修行の場にしていこうという生き方が伝わってくるのです。その生き方こそが人々の心を揺り動かしてやまなかったのです。
 
厳しい競争社会、経済至上主義の風潮の中で、気がつけば、身も心も何かに追われ、自分自身を見失いがちな現代・・・良寛の漢詩や和歌を通して、「命」や「自然」、「老い」「死」といった普遍的なテーマをもう一度見つめ直し、人生をより豊かに味わう方法を学んでいきたいものです。

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