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2020年9月 1日 (火)

花鳥風月を楽しむ

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劉廷芝
(りゅうていし)の詩に「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」…があります。

「来る年ごとに、花は同じように咲き匂うけれども、来る年ごとに、これを眺める人は移ろいかわってゆく」この詩には、自然の中に生きる私たち人間の姿と、時の流れが巧みに表現されています。

激動の人間社会・・・歳を取ったせいか、時の流れの早く感じさせられます。そして自然の流れは、時に、私たちにとって冷たく無情に映ります。

でも、それは、私たちに時間を惜しむ感情が高ぶっている時なのかも知れません。自然の流れや時間は、何ものにも左右されることなく、いつも通りに、当たり前に過ぎ去って行くものです。そうして過ぎ去る時間に、移りゆく風景に思いをはせてしまうから、人は弱く悲しい存在と言えるのかも知れません。


どんなに合理的に、楽に、物事が解決できるようになっても、私たちがモノでなく人である限り、喜怒哀楽という豊かな感情がある限り、この詩【言葉】に込められた想いは、いつの時代でも流れ続け、語り継がれるはずです。

だから、過ぎ行く時を惜しみ、花鳥風月(かちょうふうげつ)を愛でる人たちに「ただ、優しくあれ……」と祈りたくなるのです。

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