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2019年5月31日 (金)

今なぜ「命の大切さ」なのか

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近年、子どもの命に関わる重大な事件が多発しています。その中に見られる突発的な攻撃性、反社会的行動等は心の問題ですが、とりわけ、事件を起こした大人や子どもたちが、命をどのように認識していたかが問われているのです。

少子化・都市化・情報化等の社会の急激な変化は、子どもたちに、さまざまな影響を与えています。かつては日常生活の中で、家での出産や親族の死等命にふれる、機会が多かったのですが、核家族化によって、そうした命に関わる大事な場面に、ふれる機会が少なくなってきています。

多くの子どもたちに、生や死のもつ意味について考える機会や、人の命の有限さや、かけがえのなさを理解する機会が失われ、命を実感としてとらえる場が、失われてきています。

また、都市化に伴う連帯感の希薄化や、地域の教育力の低下、子どもたちの遊びの形態の変化等を背景に、子どもたちの倫理観や社会性が不足していることが、指摘されるようになってきました。

人とのふれあいは、安心感ややすらぎを生む一方で、摩擦やわずらわしさの原因にもなりますが、そうした人間関係を忌避し、人とうまく関わることができない子どもたちが増えてきています。そして、情報化の進展は、創造的な活動の展開を容易にした一方で、人間関係の希薄化や直接体験の不足等深刻な問題も生み出しています。

特に、ゲーム機を中心とした遊びが増え、仮想現実の世界に容易に入り込むことができるようになり、虚構の世界の中で作り上げられた死に頻繁に接する中で、子どもたちの現実感覚が麻痺している側面があります。

この実感を伴わない死の感覚が、命の軽視につながっているのではないでしょうか。また、人間は死んでも生き返ると思っている子どもやリセットすれば、簡単にやり直しがきくと考えている子どもの存在等、子どもたちの命の重みに対する感受性が、弱まっているのではないでしょうか。

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