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2019年5月 4日 (土)

無心

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無心とは、 無生物や植物のように、心をもたないことです。(Weblio辞書

木々の緑が鮮やかな五月は生命が躍動する時節です。花が咲き、蝶や、蜂たちが飛び回り花から花へと蜜を求めて飛び交っています。

良寛さんの言葉に「花は無心にして蝶を招き 蝶は無心にして花を尋ぬ、花開く時、蝶来り 蝶来る時 花開く」があります。

虫媒花の植物は、昆虫によって花粉が運ばれ実を結びます。

花と蝶の関係は損得感情などまったくないのです。花には蝶を招く心はなさそうです、蝶にも花を尋ねようとする心が働いているようにもみえません。

花は蝶を招きたいとも思わないし、また、蝶も別に花を訪ねたいとも思わない。しかし自然に出合う、即ちめぐりあうわけです。

私たちの人生もめぐりあいの連続です。親にめぐりあい、兄弟姉妹にも、友人にも、夫にも、妻にも、子供にも、また、苦しい事、楽しい事、悲しい事、いろいろな事にめぐりあいます。

誰れもがこの世に必要だから生まれてきたのです、そしてお互いを必要とするから生きていけるのです。

しかし最近は、人と人との絆が弱くなったようです。現代人はプライド、プライバシーの権利、プライベートな問題などと、ことさらに自己主張するけれど、自分が生きるためには他が必要です。

他というのは一つや二つでなく、さまざまというべきか、すべてというべきか、人のみならず、万物の存在に支えられて自己が成りたっています。

「私は他の人を知らない、他の人も私を知らない、知らずとも自然の大道に従って生きて行く」良寛さんの言葉です。

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