人生に「待てしばし」「そのうちに」はありえない
幸田露伴の娘、幸田文に庭の草取りを命じた。文は2~3日まとめてとりますから・・・と返事をした。毎日とるから草は生えてこないものだ。「毎日取りなさい」と厳しく言われたという。
また、こんな話があります、 晩秋の一日、ある老僧が弟子を連れて歩いていると、おりからの風に吹かれてしきりと葉が落ちた。
老僧が歩きながら一枚一枚、葉を拾って、袂に入れるのを見た弟子が「和尚さまおやめ下さい、いま掃きますから」 と言ったとたん、「馬鹿者、いま掃きますで美しくなるか、一枚拾えば一枚分だけうつくしくなる」 と、大喝一声、叱咤されたという。
「そのうちに」がいけない、そのうち、そのうちで日が暮れて、人生が終わってしまう、人生に待てしばし、「そのうちに」はありえません。
「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」ということわざがありますが、自分自身のこととして、人間は死ぬもの、そしていつ死ぬかわからない、今、突然、死がおとずれるかもしれません。
こんなことをしみじみと思う時、自分の生き方を本気で考えるものです。生ある間に本当の生き方を見いだし、悔いのない人生を送りたいもです。
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