日本の運命かかる6月
もう後がない日本丸は、大きな氷山に取り込まれていて、打開する道は限られてきた。舵取りの船長、野田佳彦船長は、熟慮の末に、スタッフを入れ替えたのだ。もちろん不退転の覚悟で、態勢を組直ししたのだから期待したい。
それには野党の自民党・公明党の協力なしには舟は動かない。今まで停船状態になっていた船を動かすには、民主党内の反発分子の言い分もあるだろうが、一体改革協議を前に進めていくことである。野田佳彦首相(船長)に期待する(期待するしかない)。
新聞各紙の社説
朝日「一体改革協議―首相が陣頭指揮に立て」
参院で問責決議を受けた2閣僚や、これから野党の追及を受けそうな閣僚を差し替えた。自民党などの更迭要求に応じることで、社会保障と税の一体改革関連法案の成立に向け、環境を整えようというのである。
野田首相の記者会見からは、一体改革にかける決意は伝わってきた。いわく、6月21日の国会会期末までは、日本の将来を左右する決断の時だ。「21日」を見据えて、それまでに衆院で採決をめざす――。
読売「野田再改造内閣 日本の命運かかる6月政局」
「首相は一体改革へ陣頭指揮を」・「修正協議への環境整備」・「輿石氏も腹をくくれ」・「大胆な妥協が必要だ」
自民党が強く反発しているからだけではなく、内容にも問題が多い。自民党の提案する「社会保障制度改革国民会議」を受け入れて、有識者も交えてじっくり議論するのが現実的だ。一体改革関連法案の修正協議と並行して、衆院の選挙制度改革も喫緊の課題である。
与野党は、この6月の判断と行動が日本の命運を握ることを肝に銘じるべきだ。会期延長は避けられない。首相の政権運営にも大きく影響する。政治の前進のためには大胆な妥協が必要となろう。
毎日「野田再改造内閣 修正合意への重い使命」
野田再改造内閣が発足した。参院で問責決議を受けた2閣僚ら5閣僚が交代、民間人初の防衛相として森本敏拓大院教授が起用された。
野田佳彦首相は記者会見で「大きな決断の時」と語り消費増税法案成立へ決意を示したが、野党と合意する道筋は依然として描けていない。民主、自民両党は採決などの日程駆け引きを先行させず、一日も早く修正協議を軌道に乗せるべきだ。
« 17年逃亡の女を逮捕 | トップページ | 人の噂も、喉元すぎれば・・・ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント