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2012年2月23日 (木)

ギリシャの財政再建

08omitake_buna_aki11 ギリシャという国名、世界史で有名であり、ヨーロッパ文明の起源となる文明を生み出した国である。しかし現在のギリシャは、世界経済そして、日本の国民にも大きく影響してくる。グローバル化した経済は、私たちも無関心ではいられない。世界中が注目しているギリシャの財政再建策である。

ギリシャというと1100万人の人口で、東京都並み、ギリシャ文明を生み出した後は、ギリシャ民族は独立を失い、アレクサンダー大王、ローマ帝国、オスマントルコなどの支配を受け、一地方として没落する。

財政再建ということだが、国民の4人の1人が公務員という。給料カットには、警察官までがデモを行っているようだ。国民の納税意識も低く、電力会社に徴税事務を任そうとした政府案に対しては、税務職員や電力会社もストで対抗したそうだ。

こんな国を救うために、自分たちの税金が使われていいのかと、生まじめなドイツ人なら反対するだろう。その一方で、政治家はヨーロッパ統合の大義を国民に説く・・・

それにしても、自らの行為を棚に上げてストやデモを行うギリシャ国民を見ていると、この国が優れた文明を生み出しながらも2000年間自立した国家を持てなかった理由がここにあるのか、と思ってしまう。

具体的には、ギリシャの国家予算は12兆円規模で、このうち国債の償還が4兆円規模になっている。歳入は5兆円で残りの7兆円は国債の発行でまかなっているので、赤字比率は約60%と日本のそれより悪い。(日本は約5割)

脱税は2兆円~3兆円規模と推定されているので、本来徴収すべき税金の約3割~4割(NHKの取材などでは2割)は脱税によって失われていると、推測するしている人もいる。・・・確かなことは分からない。

ビックリしたのは、国家破産は1829年独立以来5回も国家破産を経験している。「借金は踏み倒せばいいんだ。ギリシアに金を貸したほうが悪い」。いたってあっさりしているが、金を貸したフランスやドイツやスイスの銀行は死活問題になって、たまったものではない。

ギリシャ国債の残高は約33兆円だが、金融機関は現在50%の債務の削減を迫られている。EUの金融支援、それと金融機関の国債の50%の棒引きでギリシャは立ち直るのだろうか・・・。

もしギリシャ政府が脱税者を完全に取り締まって脱税をゼロにできれば国債の償還や利子の支払いを除けば国家予算はバランスがとれる。いわゆる「プライマリーバランスが均衡」とれる。

だが、ギリシアの国民性というか、国家観というか、財政危機を隠し続け、どうしようもなくなったら助けを求めようとする。

その場しのぎの政策しか出さない、国の在り方自体が変わらなければ、いくら支援をしても、同じような問題が起きる気がする。脱税天国のギリシャだからだ。

朝日新聞社説(22日)「ギリシャ支援―経済の再建も考えねば」
欧州は今度こそ、ギリシャ危機を封じ込められるか――。ユーロ圏の財務相会合で、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)によるギリシャへの追加支援1300億ユーロ(約13兆7千億円)の実施が決まった。

民間銀行や欧州中央銀行(ECB)も、返済の減免などで支援する。 3月に償還期限を迎えるギリシャ国債の債務不履行は回避されそうだ。

ギリシャは、公務員削減などの緊縮財政を進め、国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率を、今の160%から2020年に120%強へ下げる。EUとIMFの代表がアテネに常駐し、監視する。

しかし、緊縮一辺倒で09年からのマイナス成長がさらに続くのは必至だ。ギリシャ経済は疲弊し、「手術は成功したが、患者は死んだ」となりかねない。しかも、債務と経済が同じペースで縮小し、債務比率が減らない危険性すら指摘される。

財政面の議論が一区切りついたところで、ギリシャ経済の再生に向けてもユーロ圏が結束して取り組む必要がある。 観光以外に目立った産業がなく、汚職、地下経済がはびこる社会を改めるのは一筋縄ではいかない。

公務員天国は打破すべきだが、壊すばかりで成長への期待がなければ、国民を改革に向けてまとめられない。 アテネ常駐のEU代表は無駄遣いや不正の監視だけでなく、産業や社会の構造改革にも知恵を出すべきだ。

ギリシャでは4月に総選挙があり、今の実務者内閣が交代する。これを社会的混乱や財政再建の行き詰まりに暗転させないためにも、早く手を打ちたい。 心配なのは、支援決定までの曲折で、欧州の南北の溝が深まったことだ。

ドイツなど北側諸国には混迷するギリシャ政治への不信が根深く、緊縮を厳しく迫った。これがギリシャの国民感情を逆なでした。 ドイツなどの強硬姿勢の背景には、ECBの強力な金融緩和で、金融危機への懸念が後退している事情もあるようだ。

ただ、金融緩和はあくまで時間稼ぎにすぎない。当座の小康に気を緩め、欧州の結束を軽んじるのは考えものだ。 今週末には、主要20カ国(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、IMF活用による欧州支援策も協議される。

しかし、欧州の強い結束と最大限の努力なしでは、協力はありえない。ギリシャ経済の再生にも責任ある行動を取るよう釘を刺さねばならない。

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