六月の句
紫陽花は 濡れて色づき 楚々となる
紫陽花の 紫(し)と白の 雨の朝
大空に 両手を広げ 他になし
夏草は 燃えるごとき 激しけり
音もなく 白紫陽花の 露一つ
紫を 花弁の色も 露そめて
鐘一つ 紫陽花寺は 暮れてゆく
古寺の あじさいの花 凛として
静けさに 額あじさいや 朝日浴び
富士の山 空の青さに 夏の雲
青い山 背負うがごとく 後を追う
山寺や 小鳥の勤行 初夏の朝
霧深し 不如帰啼く 里の朝
麦藁帽 半袖シャツに 杉木立
江ノ島や 夏の日差しで 影遠く
吹く風に 松の青さも 夏の空
石積みの 苔ひたたりし 城の址
草燃えて 片倉城や 夢誘う
入梅や 降り出す雨に ほっとする
朝早く 挨拶しながら 草の道
朝もやに 片倉城址も 影薄く
夕焼けに 鳴いてからすも 森の中
不如帰 飛び鳴きながら 夏を告げ
時すぎて 山の緑は 盛り上がり
つばめ来て 田人の中を かいくぐり
水ひかり 草木が萌える 城の里
石垣の 割れ目の奥も 夏が来る
薫風は 古城の里を 巡らして
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