六月の短歌
湯殿川 我が心にも 水澄みて 変らぬ流れに 昔を偲ばん
匂いつつ 散りにし花が 偲ばれる 夏は緑の 繁りければ
ほととぎす ひと声鳴いて 東雲の 城址の森は 一筋の雨
夕立の 雲まとまらぬ 夏の日の 城址の森に 松蝉の声
水無月の 雨かと思えば ほととぎす 暁の空 何処に行かん
夏の夜の 寝ようと思えば ほととぎす 鳴き一声 月の影
はからずも 短い花の 運命にも 孔雀サボテン 夏の朝開く
匂いつつ 高貴の夢を 忍ばせて 孔雀サボテン 花開く朝
何気なく 誘うように 咲き誇り 孔雀サボテン 魅惑の色は
暮れなずむ 城址の外灯 木々の中 灯りも揺れて 涼を呼ぶなり
心身とも 満足な人 誰もなし 他人を恨んで 幸せ得られず
今日もまた 生きた証を 振り返り 心の中で 両の手合わす
涼を呼ぶ 湯のまち灯りか 山の上 夢見る想いに 黄昏月夜
湯殿川 コガモの姿 いじらしき 鳴いて母呼ぶ 夕暮れ時は
富士の山 遠くに見れば 影となり 入道雲に 夕日輝く
夏に日の 遠い昔を 夢しのび 静かに暮れる 由井の里
大空に 白線を引く 飛行機の 航跡の標し 一服の涼
空の青 海の蒼さに 白波の 夏の太陽 輝きひかる
遠望に 丹沢の山 横たわり 積乱雲が 立ち上るなり
宮ヶ瀬の ダムの岸辺 よく見れば 夏鳥一羽 静かに泳ぐ
住吉の 夏祭りに 想うもの 片倉城 大江広元は
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