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2011年6月22日 (水)

ひしひしと感じる高齢化

05gihu_hana_festa21 高齢化は、ひしひしと感じる。毎年のように湯殿川の河川管理通路に、コスモスを植えているのだが、6・7年前まで、近所の方たちに声をかけて、大勢で行っていた手入れを行っていた。しかし今は、「腰が痛い」「膝が痛い」などの方ばかりで、呼びかけも出来ない状況である。

昨日、一週間かけて私一人で草取りを終えた。その私も、腱鞘炎?になって、2・3日物を掴むことが出来ず医者に行こうかと思えるほどだった。もうコスモスは最後の年にならざるを得ないか・・・

きれいな花を咲かすには手間ひまがかかるものだ。昔から、私の住む地域は、よく集まって、四方山話ができ、コミニケーションの場が持てとても良かった。今は、噂話になり、近所づきあいが疎くなってしまった。将来、困ったときに頼れる人がいない。など深刻な状況が心配となってきた。

このことは政府の23年年版「高齢社会白書」は、社会的孤立が進む高齢者のそんな実態を浮き上がらせたことでも納得できる。

白書は、その原因を「日本の高齢者は血縁中心に人間関係を構築しており、近所や友人との関係が希薄」と分析している。残念ながら、この分析は現実を言い当てている。

「地縁」が薄らぐこの傾向が続けば、社会的な孤立が一層進み、高齢者の「生きがい」の低下や「孤独死」「犯罪」の増加をもたらす可能性がある。

日本社会はかつての「向こう三軒両隣」的な濃密な近所づきあいは影を潜め、地域のつながりは希薄になった。それが、高齢者の社会的孤立をもたらす一つの要因にもなっている。

今回の東日本大震災は死者の3分の2近くが65歳以上で、高齢者が災害弱者である現実をあらためて見せつけた。現実は深刻である。高齢者の孤立を解消し、孤立がもたらす悲劇を防ぐ。これから加速度的に進む高齢社会で、避けて通れない社会的課題である。

白書によると、65歳以上の高齢者は10年10月時点で日本の総人口の23%を超え、過去最高を更新した。「団塊の世代」がすべて65歳以上になる4年後には、高齢者人口は3千万人を超える。

一人暮らしや身寄りのない高齢者も増えるのだろうが、白書によると、60歳以上の一人暮らしで男性の42%、女性の28%が「2―3日に1回以下」しか会話(電話も含む)をしていないという。

白書は、高齢者が参加しやすいボランティア活動や若者との交流事業などを促進し、地域に高齢者の「出番」と「居場所」をつくることが重要と訴える。そのとおりだと思う。元気な高齢者には地域の「支え手」になってもらいたい。そうすれば地域も元気になる。

問題は、会社や組織に人生の価値観を見いだし、人間関係を築いてきた世代が、地域社会の中で生きがいを見つける人生にシフトできるかどうかである。この白書、実はこれから高齢社会の主役となる「団塊の世代」に、その覚悟を促しているのかも知れない。

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