先が見えない復旧
3月11日観測史上世界4番目の規模となるマグチューど9.0という、東日本大震災が起きて2ヶ月が経った。多くの犠牲者がでたがその上、福島第一原子力発電所の事故が起こり、今被災されている人は10万人以上に上るという。
原子力委員会の青山繁晴専門委員は、13日の参議院予算委員会で判断ミス、対応の遅れなどで人災事故だと指摘している。
1号機で、炉の燃料棒が溶けて下に落ちるメルトダウンが起こっていたらしいと、東京電力が認めた。圧力容器からも、その外の格納容器からも、大量の水が漏れているようだ。
原子力という放射能で熱を出す物質を利用して、発電に繋げるという技術は日本の技術では制御できなかったのかとも今後の課題が残った。
事故炉の封じ込めは、姿の見えない敵を相手に闘う難作業の連続だ。自動カメラやロボットで近づいたら、予想と違う状況だったということもありうる。
メルトダウンという新たな問題が分かり、炉を冷やして止める手だての柱を、冠水方式にしていたが今後の復旧作業の方法を考えざるを得ない状況に追い込まれたようだ。
事態収拾にあたる技術者は他の方策も考えていたが具体化は遅れ、冠水方式に期待した作戦を進めていた。そのため、今回のように見直しを迫られたとたん、周辺地域はもちろん、国内外にも大きな落胆と不信を芽生えさせてしまう。
気になるのは、冷やすために注いだ水が汚染してふえる一方だということだ。汚染水が施設外に漏れ出さないようにためる場所をふやす必要がある。たまった水を浄化しながら、循環させて冷却に使うといった方法も急いだ方が・・・。
技術者の信頼度と政治に判断を出すのはきわめて難しいが、信頼される技術者の幾つかの復旧の方法から選択し政治が判断できるシナリオを国民に提示することである。
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