ビンラデインの殺害とアルカイダの動き
国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラデインを殺害した。アメリカのオバマ大統領が声明を発表した。アメリカの米海軍特殊部隊が急襲しわずか40分で終ったという。
ビンラーディンはアフガニスタンとパキスタンの国境地帯に潜んでいると見られていたが、意外にも、隠れ家はパキスタンの首都イスラマバードの近郊にあったのだ。
これでアルカイダの組織は壊滅したわけではない。今までの反米感情はの強い組織だっただけに、後任と目されるエジプト人、アイマン・ザワヒリ容疑者?の指導のもと報復が活発になるだろう。
米国が主導する「テロとの戦い」にとって、首謀者の死は、大きな成果だ。オバマ大統領は「正義が成し遂げられた」と述べた。菅首相も「テロ対策の顕著な前進」を歓迎する談話を出した。
ただ、これでテロが終息するわけではない。殺害に反発して、むしろ報復テロの可能性は高まる恐れがある。同容疑者が主張した「反米の大義」は世界各地のアルカイダ系組織に受け継がれ、テロの思想的温床が無くなっていないのは確かだ。
ビンラディン容疑者という反米を象徴する人物は殺害されたが、イスラム諸国の反米感情が払拭されたわけではない。イラク戦争や米国の同盟国イスラエルのパレスチナ占領を受け、イスラム諸国には反米感情は潜在的に大きい。
アルカイダは、資金や要員の確保に、民衆に広がる反米感情を悪用してきた。ビンラディン容疑者が殺害されても、イスラム諸国に広がる、米国によるこうした抑圧感情は解消されていない。中東和平交渉は完全に停滞しており、テロの温床になる可能性は残っている。中東民主化が失速すれば、力を盛り返す可能性もある。
リーダーを失ったアルカイダだが、影響は象徴的なもので、行動様式が変わるとは思えない。報復攻撃もありうる。米政府高官も「今後もテロの脅威は続く。戦いは短距離走ではなくマラソンなのだ」と語っている。【「新聞各誌の記事より】
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