人のつながりで瀬戸際の命を救う
13年連続で3万人をこえた自殺、最近さらに深刻化する児童虐待、そして若い世代に広がる孤独死。しかし、ようやく転換の時なのだろうか・・・。
警察庁によると、昨年の自殺者は9年ぶりに3万1千人台に減った。前年に比べ、34都道県で減少している。三重県は25%減、青森県は17%減と顕著に減った。13年連続の3万人台とはいえ、変化の兆しかもしれない。
自殺者数のデータはいま、市町村別に公表されるようになった。八王子市の現状はどうかというと、警視庁データー(2010/9月)で2010年10 人(前年9 人)全国の市では32位だ。
私に住む隣組に昨年一件発生した。その方は老人会に入って、カラオケやゲートボールなどの積極的に行っていた70代の男性で40歳代の子供と2人暮らしであった。子供とのトラブルが原因のようだが、ハッキリしたことは分からない。
近くにいた住民の一人としてどんな理由にしろ気にかけていればと思い非常に残念であった。「安心、安全」が必要なのは、交通事故や災害対策に限ったことではない。 最低でも年一回の親睦を兼ねた顔合わせ(3年前から中断してしまっていた)を行ってお互いに日ごろのお付き合いのない方にも顔を覚えていただくことが大事なことだ、反省したのである。
私達の市民活動を通じて、自殺を特定の人の出来事ととらえず、みんなで解決しなければならない社会の課題としてとらえる必要があると思う。
警察庁データで自殺原因の上位にあげられたのは、今回も「健康問題」であり、「経済・生活問題」だった。「就職失敗」も増加していた。
不況は続き、社会は高齢化する。苦しみはこの先も避けがたいだろう。無縁化時代と言われる今日、人のつながりにこそ、瀬戸際の人間を踏みとどまらせる力があるだろう。
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