APECと日本外交政策
APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が、2日間の日程を終え閉幕した。
尖閣諸島をめぐり中国との関係が緊張し、メドベージェフ大統領の国後島訪問でロシアとの関係も冷え込む中、両国の関係が、後手後手に回った「外交失態」に歯止めをかける好機である。菅首相は「多少、ぎくしゃくしていると言われてきた日米関係を、しっかりとした日米関係に、まず立て直すことが必要だと」と述べた。
首脳会議でも、アメリカ主導の自由貿易圏構想を強調し、TPP(環太平洋経済連携協定)の会合にもオブザーバー参加するなど、外交失点をアメリカシフトで挽回したい意向だ。
だが、普天間の県内移設にノーを突きつける沖縄の民意は固く、日米合意の実現は厳しさを増している。アキレスけんである状況には変わりはない。
ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問などで、既成事実化を着々と進めるロシアに対し、菅首相は、経済協力や技術移転をてこに領土問題を打開する道筋を探るべきである。
そして中国は、今や日米双方にとって経済的にも政治的にも重要なパートナーだ。アメリカとの同盟の深化は、中国に対抗するためではない。日米には、中国が国際社会で大国にふさわしい責任を果たすよう促す役割があることを忘れてはいけない。
経済問題に絡んで、領土問題を抱え込んだ日本は、沖縄の普天間飛行場移設 問題は、大きな流れの中の羅針盤のような気がしてならない。この問題を解決の仕方で、アメリカ・中国・ロシア外交政策に大きく影響される。
沖縄県民だけの問題ではなく、日本国民の問題として考えなくてはいけない問題として認識すべきである。
« 新酒ワイン発売のこと | トップページ | スー・チーさんが開放される »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント