ぼたもち・夜船・おはぎ・北窓
「ぼた餅」というと、お袋が、よく作ってくれたものだ。春と秋のお彼岸には決まって作ってくれた。春の「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と言っていた。しかし、夏に作ることはなかったが、コラムニストの天野祐吉さんがいっていたが夏は、「夜船」と、冬は「北窓」というそうだ。
春と秋の彼岸には昔はどこの家でも、お餅をついたものだが、夏と冬はあまりお餅はつかない。で、隣り近所にめいわくにならないように、トントンつくのではなく、静かにこねてお餅を作ったらしいという。
いつお餅をついたんだかわからない。いつ着いたんだかわからない。夜の船はいつ着いたんだかわからない、ということであるらしい。
北の窓も同じだ。北の窓からは月が見えない。つきが見えない。餅つきが見えない、ってわけ。こんなことを考え出すなんて、ほんと、昔は閑人が多かったんだなぁー
昨夜NHKラジオ深夜便こんな事をいっていた。「ー小林一茶だが、昔は閑人のが多かったのだ」天野さんの好きな句だという・・・
閑人や 蚊が出た出たと 触れ歩く
だが、四つの名前の由来よりも重要なのは、なんのためにひとつの物に四つも名前をつけたかということだ。それはたぶん、ぼくらはものを食べるときに、物だけをたべているのではなく、物と一緒に気分をたべている、ということだろうと思う。
まったく同じ物でも、「ぼたもち」を食べるのと「夜船」をたべるのでは気分が違う。その気分の違いを、ぼくらのご先祖さんは愉しんでいたんじゃないかと思うんだよね。と・・・天野さん・・・
今年ももう直ぐ日本列島「お盆」である。企業の盆休みで道路が渋滞しそうだ。故郷に帰って家族の久しぶりの顔合わせ、旧友に合うのもよし、夏の高校野球も郷土の高校の応援もよし、心身のリフレッシュは、生まれ育った地が一番だ。ぼたもちの「夜船」は、今時は、作ってもらえないだろうが・・・ そして昔のような閑人はいないかも・・・
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コメント
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昨日。
秋彼岸でもありますし、みんなで「おはぎを作ろう」と新米ママさんから達人ママ(二十代〜七十代)まで大人30人+可愛いお客さま15人でワイワイとおはぎを作りました。
で、「おはぎ」と「ぼた餅」の違い等調べておりましたら若いお母さんが「パソコンで調べたら夏は『夜船』、冬は『北窓』と言い、それから餅をつくのを知らぬ間に…という意味で『つき知らず』或いは、船が着くのがわからないので『着き知らず』や月が昇るのを知らないから『月知らず』ともいうそうです」と発表なさいました。
私も、調べてみたらこちらに行き着きました。
今日は、十五夜ですが、生憎のお天気になりそうです。秋彼岸の仲秋の名月に『月知らず』を頂きます。
寄せて頂きありがとうございました。(長くてすみません)
投稿: ひかる | 2010年9月22日 (水) 11時12分