滅私奉公
昨日、書棚の整理をしていたら、昨年自動車免許更新時の交通安全協会の教則本が出てきた。もらったとき、見出しだけパラパラ目を通した程度でしまい込んでいたものである。免許更新時にもらうが、結局たいして読まずに捨てしまった。
事業仕分けで、直接のやり取りをテレビで見ていると、何と血税を無駄な使い方をしているもんだと実感したが、役人の弁明に四苦八苦している人、自信を持って対応している人それぞれでであるが、緊張は隠せなかったようだ。
日本テレビの番組「スッキリ!!」でもやり玉にあがった交通安全協会の教則本。1400万冊という「販売部数」で、仕分け人は「超ベストセラー」といったが、免許更新時の講習費に含まれているから、受講者は拒否することもできず買わされているのだ。
しかし、ほとんど読まれない。レポーターが免許更新の講習を受けた人に聞くと、「捨てちゃうよ、邪魔だもの」「あげますよ。要らないから」・・・
この売り上げが32億円で、印刷費などの22億円を引いても10億円の利益。警察庁OBの常勤役員5人を含む48人が天下りだ。給料は理事長が2000万円、専務1700万円、常務1400万円……。結論はやはりコスト削減に努力して、受講者の負担を減らす努力をとなった。
この日は8つの事業が廃止、4つが見直しとなった。仕分け人たちは「もっともずさんな答えが多い1日だった」「これらになぜ税金を使うのか、その意識が低い法人だ」とあきれていた。
「役人」・「官僚」・「滅私奉公」などの言葉を思い出す、我々庶民は、行政を役人にゆだねることになるわけだが、役人は自分を信頼する人々の利益に個人的な利益や都合を優先させてはいけない。
すなわち役人が最優先すべきものは公衆の安全や健康、福利といったいわゆる「公」の最重要で正しく「滅私奉公」的考えが基本にあってしかるべきである。
ところが、最近の日本においては、行政専門家(役人・官僚)が公を欺いて私利私欲に走り自分達の身分を守ることが優先させる。
これは、軍国主義時代の「滅私奉公」が否定されると、短絡的にその反対の「滅公奉私」、私生活優先の考えに走り、「公」という倫理観が薄れてしまう風潮の中での出来事のように思う。
原野では生きれないくせに、柵が壊れたからと外に暴れ出て、好き勝手をしているあわれな家畜の如くである。
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