この程度の認識で国会議員の役職が務まる?何を考えているのだろうか、国民の信託を得た国会議員の品格が問われる。国会の議員の中にこの程度の人間が国政を任すわけにはいかない。怒り心頭である。
参議院の若林正敏元農林水産大臣の参議院本会議での採決で同僚の青木幹雄議員の代理投票を押した。自ら議員辞職をしたが、「魔がさした」と・・・では済まされない大きな問題である。今朝の朝刊各誌は一斉にこの問題を取り上げていた。
朝日新聞・・・風上にもおけない、とはこのことをいう。
「魔がさした」ではすまない不行跡であり、議員辞職したのは当然である。
国会議員は憲法で「全国民の代表」と位置づけられている。法律を定め、国家財政を統制し、首相を指名する。その重責を自由で独立した立場で果たせるよう、様々な特権も与えられる。議院での表決や発言は院外で責任を問われない、というのもその一つだ。
読売新聞・・・国会の議決を冒涜する行為だ。
国会は、言うまでもなく、国の唯一の立法機関である。とくに衆参両院の本会議は、各院の最終的な意思を決める場だ。議案成立の可否は、特別の定めのある場合を除いて、出席議員の過半数で決まる。
ここでは、わずか1票の差によって法律が成立したり、しなかったりする。議員一人一人が、自らの責任で投じる1票が、重い価値を持つゆえんだ。今回の若林氏の軽率な行為は、国会議員の職責の重大性を、まったく失念していたものと言わざるをえない。
毎日新聞・・・なんとも情けない汚点だ。
議員が議場にいなければ表決に参加できないのは衆参両院を通じた議会の鉄則だ。このため、重要案件の採決の際、病身をおして議員が登院することも珍しくない。衆院3期、参院ほぼ2期務めた閣僚経験者にそんな当たり前の節度が欠けていたことに、寒々としたものを感じてしまう。
単なる「お粗末劇」と見過ごせないのは、国会での議決の信用性を損ねた罪深さにある。参院本会議は98年の通常国会から押しボタン方式を導入している。議員の投票行動の明確化のためだが、当時は「牛歩戦術」などの抵抗戦術封じが目的、との指摘もあった。
産経新聞・・・自民党の緩みは危機的だ。
国会での賛否の表明は、憲法で守られた表決権の行使だ。国会議員が自ら、それをないがしろにした。若林氏が責任の重さを認めて議員辞職したのは当然としても、大きな汚点は消えない。
押しボタン投票が平成10年に参院に導入されて以降、他人による投票が表面化したのは初めてだ。