コスモスが咲く散歩道
今朝は、よく晴れた朝だった。何時ものように散歩してきたが、ちょと肌寒いくらいであった。湯殿川の河川管理道路を往復1時間ぐらい、毎日散歩しているのだが、行き交う人は殆んど変わらない。朝の五時30分ごろである。
何日か前から、白い大きな犬を連れて散歩している女性がいるが、ふわふわと長い毛の犬で、のっそりのっそりゆっくり歩いているが、おとなしい犬のようだ。小さな犬がすれ違っても、なんの反応もしないで、のっそりのっそり歩くさま、身体が大きいだけでなく、気持ちも大きいようだ。
コスモスの花が咲きだした。季節は確実に巡り回っているいるのだ。白・紫・ピンク・黄などの色とりどりの花は見ごたえがある。遠くに富士山が見え、空気が澄んでいる。気持ちい朝だった。
普段着で猫行く町の秋祭り 小西雅子
この間の日曜日犬を連れて公園へ散歩に出かけると、町は祭の最中だった。ああ、そういえば清水さんが増俳に祭りの撮影に行く予定。と書かれていたな、と思い出した。
入り組んだ町の路地のあちこちには控所や休憩所らしきものが出来、お神酒や餅がふるまわれていた。髪を明るく染めた女の子が紺の法被にぴったりとした股引をつけきびきびと走り回っている。
男も女も額には細く絞った日本手ぬぐいをきりりと巻いて、「いよっ、イナセだね」と声をかけたくなる雰囲気で、町全体が活気づいていた。うちの犬だけでなく、祭の町を連れられてゆく犬はきょろきょろあたりを見回して落ち着きがない。
通りをゆく子供もおとなもどこか華やいだ表情をしている。猫は見かけなかったけど、人目を避けて塀沿いを伝い歩きしていたかもしれない。きっとわさわさした町にちろりと視線をくれたきり、素っ気ないようすで通り過ぎていったことだろう。
秋祭に浮き立つ町でこころも身体も普段着のまま、過ごしていたのは猫と雀だったかもしれない。『雀食堂』(2009)所収。(三宅やよい)
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