八ツ場ダム継続・中止の問題
継続すべきか、中止すべきか、現地住民にとっても、予算執行継続にしても判断に迷うところである。今回の選挙に民主党は、マニフェストで中止を掲げた。
この八ッ場ダムは、総工費4600億円で、高さ116メートル、総貯水量1億750万リットル(東京ドーム87個分)の巨大ダムを建設しようというものだ。
50年前に住民の猛反対を振り切って計画、着工され、既に3210億円が投入され、工事はダム本体の工事を残すだけ、7、8割完成しているという。
ダムが完成すれば湖底に沈むはずの川原湯温泉の住民たち。もともと地元へのメリットはないのに、下流住民の安全のためといわれ無理やり認めさせられ、1キロほど離れた高台へ住まいを移す準備を進めていたという。
せっかくここまで工事が進んでいるのにかえって税金が無駄になるのではという話もあり、建設か中止かいったいどっちがいいのかと思うほどだが、群馬2区選出の民主党、石関貴史衆院議員によると話は違ってくる。
「すでに総理大臣の国会答弁でも八ッ場ダムの必要性はなくなったといい、洪水防止の効果もないことが分かっている。しかも当初の倍以上の予算がすでに投入されており、国交省が出している投入額3210億円の数字は信用できない」と言う。
計画から50年も経ってまだ完成しない工事計画も問題があるが、ここまで工事が進んでいるダム工事を、継続・中止の議論が出たのは、常識的には今までの政府・行政の拙さが問題である。
そこには多くの利権が絡み、工事を食い物にしてしまった事にあると思う。この問題も、「政・官・財」の癒着の結果そうさせたのだろう。私は、これだけの時間と費用を費やしたのだから、学識経験者による第三者委員会を設置し「継続・中止」の議論をして結論を出すべきと思う。
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