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2009年8月24日 (月)

公務員制度改革の徹底的対処を

Odaiba971「分厚い霞ヶ関の壁」・「鉄壁なガード」公務員の篭城は、日本の動脈を損なう動脈瘤のような存在となってきた。これにメスをいれることは、相当に難しいことなのだろう。しかし、このまま放って置くと、命取りになりかねない。悪巣うを取り除き、血流をスムースに流れるように処置は待ったなしである。

ぼろぼろになって、末端の地方まで行くまでには、量、質が極端に悪くなっている人間の身体そのものだ。公務員制度改革の徹底的対処を望むものである。

産経新聞主張・・・硬直化、肥大化した官僚機構にメスを入れ、効率的で機能的な組織に再生する。それが公務員制度改革の根本趣旨だ。

だが、この基本理念では一致しているかに見える各党改革案も、制度設計全体となると具体像が見えてこないというのが率直な印象である。

年金記録の紛失をはじめ、後を絶たない公務員の不祥事に国民の怒りは頂点に達している。各党が政権公約の主要テーマに公務員制度改革を掲げているのもそのためだ。しかし、勇ましい公務員たたきを叫ぶだけでは実りある議論は生まれてこない。

公務員組織の硬直化を招いた要因は、入省時点で昇進スピードが分かれる身分別の採用方式もひとつだが、厳格な年功序列による強固なピラミッド型組織を維持してきたことが大きい。

同期の昇進にあわせて公務員が“肩たたき”を受け、職場を去らざるを得ないのもこのためだ。国家公務員の場合は、勤務した行政組織と関係が深い民間企業や政府関係機関、公益法人などの幹部職へと転出する「天下り」を生む土壌ともなってきた。

それが結果的には組織を肥大化させ、官民の癒着や公費の無駄遣いにもつながってきた。制度改革は、こうした構造問題に切り込むことなしには成しえない。

自民党も民主党も、公務員人件費の「2割削減」を公約スローガンに掲げている。しかし、具体策として辛うじて読み取れるのは、地方分権による国の出先機関削減だけだ。リストラ対象となる8万人は、そっくり地方に押しつけるというのでは、何の解決にもならないだろう。

民主党が、強く主張している非現業公務員に対する労働基本権の付与についても、納得がいく説明がほしい。

「民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを作る」という主張には、耳を傾けるべき点もあるが、現状の手厚い身分保障をそのままにスト権まで認めることには、専門家からも疑問視する声があがっている。

最近も農林水産省などで職員組合幹部らのヤミ専従行為が組織ぐるみで行われていた実態が明らかになったばかりだ。政党の公約が特定支持団体を利するだけの“ご機嫌取り政策”であってはならない。国民に代わって政治が使用者責任をどう果たすのか。そのことがまず示される必要がある。

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