« くもの巣と蝉 | トップページ | 山紫陽花 »

2009年6月26日 (金)

官製談合と天下り

035571またも国土交通省の官製談合が発覚した。これまでの再発防止策は、一体何だったのか。あきれてものも言えない。公正取引委員会は、国交省の出先機関、北海道開発局が発注した公用車の運転・管理業務の談合に職員が関与していたとして、官製談合防止法に基づき、国交省に改善措置を求めた。

北海道開発局と八つの地方整備局の公用車業務を受注した10社には、独占禁止法違反で排除措置命令を出し、計26億円の課徴金納付を命じた。開発局と5地方整備局の発注分では、OBも再就職先で談合にかかわっていたという。

国交省では官製談合が繰り返されてきた。中央官庁で改善措置要求を受けたのは、国交省だけだ。しかも、2007年の水門設備工事談合に続き、2回目という。

日経新聞社説・・・北海道開発局など国土交通省の出先機関でまた官製談合が発覚した。公用車の管理業務の入札を巡って談合していた事業者に出先機関幹部が情報を漏らしていたとして、公正取引委員会が同省に対して改善措置を要求した。これで同省での官製談合事件は3年連続になる。

公取委によると、談合の対象となったのは出先機関がそれぞれ発注していた公用車の運転や点検、管理業務だ。幹部職員が新たに入札を導入する事務所や指名する業者名など未公表の情報を同省OBが天下りしている業者に流していた。現職とOBが癒着し、退職後のポストを確保する狙いがあったのだろう。

国交省は2007年に水門設備工事で官製談合防止法の適用を受けた。08年には今回と同じ北海道開発局発注の公共事業を巡る官製談合で現職の局長が逮捕された。これまでの事例は公共事業の発注という主業務についてだが、公用車の管理という周辺業務でも同じ問題があった。組織の隅々まで談合を容認する風潮があったと判断せざるを得ない。

国交省の春田謙事務次官は「今回の不正は水門談合以前に行われていた」と話すが、見当違いも甚だしい。北海道開発局で公用車談合が繰り返されていた02~06年度にはすでに旧日本道路公団などで事件が発覚していた。05年には談合の取り締まりを強化した改正独占禁止法も成立し、国民の視線が厳しくなった。

同省は問題が起こるたびに検討委員会を設け再発防止策をまとめてきた。だが、職員の意識が変わらなければ効果はあがらない。国民の信頼を裏切る事件が多発しているのだから、天下りも規制すべきだろう。

北海道開発局に代表される同省の地方出先機関は、それぞれが多額の予算と人員を抱える巨大組織だ。本省の指示が徹底されず、住民や議会の監視も届きづらい。道路特定財源でマッサージいすを購入するなど無駄遣いも次々に明らかになった。

問題が多いのは国交省だけではない。農林水産省でも地方の出先機関を主な舞台にして、職員のヤミ専従やコメの在庫データの虚偽報告などの問題が起きている。

政府の地方分権改革推進委員会は昨年12月に出先機関の統廃合を求める勧告をまとめた。だが、国交省は統廃合に抵抗するだけでなく、出先機関の庁舎の増改築をその後も平然と続けている。

同省は今回も新たな談合防止策を打ち出す方針だが、必要なのは弥縫(びほう)策ではなく、出先機関そのものをなくすことではないか。

« くもの巣と蝉 | トップページ | 山紫陽花 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 官製談合と天下り:

« くもの巣と蝉 | トップページ | 山紫陽花 »