諸葛菜
人間のすべての知識のなかでもっとも有用でありながらもっとも進んでいないものは、人間に関する知識であるように私には思われる。 |
ルソー『人間不平等起原論』 |
姉といふ媼もよけれ諸葛菜 千代田葛彦
親しい友人の妹さん曰く「おばあちゃんになったら、お姉ちゃんと二人きりで向かい合って千疋屋で苺パフェを食べたいの。お母さんやお父さんの思い出話して、あんな事もあったね、こんなこともあったね、なんて言いながら・・・それが夢なのよ」。
ちなみに友人は独身で、妹さんには現在育ち盛りの息子が二人。小さい頃はけんかばかりでも、ある程度の年齢になった姉妹には、不思議な心のつながりがある。この句の作者は男性なので、姉に対する気持ちはまた違うと思うが、媼(おうな)という呼び名に違和感のないお年頃の姉上に注がれる、変わらぬやさしい愛情が感じられる。
花大根、むらさきはなな、などさまざまな名前を持つ諸葛菜。ふだんはどうしても、線路際に群れ咲くイメージだが、先日近郊の野原に咲くこの花を間近で見る機会があり、車窓を流れるいつもの紫より心なしか色濃く、一花一花に野の花としての愛らしさが見えた。
作者もきっと、そんな瞬間があったのでは、と諸葛菜に姉上の姿を重ねてみるのだった。『花の大歳時記』(1990・角川書店)所載。(今井肖子)
紫で 庭彩る 諸葛菜
一般的には、花ダイコンと呼ばれている。中国原産のアブラナ科の1~2年草。オオアライセイトウ、ムラサキハナナなどとも呼ばれている。諸葛菜は中国名で、三国志の諸葛孔明出陣のさきざきでこの種子を植えたことから名がついたと言われる。しかし、諸葛孔明が植えたのは蕪で、中国では蕪のことを諸葛菜という。日本ではショカツサイと同じ物かどうかは不明。花期は3~5月。花は淡紅紫色。 つつじの赤が日に映えて美しい。狭い我が家の庭に咲き出した。片隅に花ダイコンが咲いている。「紫色」一昨年亡くなった義母の好きな色だった。花ダイコンを見ているとあの優しい義母の笑顔が思い出さす。
「紫に秘められた力」 「経営労務ディレクター2005・3~4月号」より~カラーコンサルタント 成田イクコ著 ~
「紫」のイメージについて尋ねると、高貴な色、神秘的な色という意見に加えて、艶っぽい色といった感覚をもっている人も結構多いことがわかる。一方で、記念日のお祝いの色として、還暦では「赤」と言われるが、古希や喜寿では「紫」が使われると言われている。いずれにしろ、一般人からは距離感をもたれる色なのだろうか。しかし魅力的な色の一つには違いないだろう。
« 考えよう介護の問題 | トップページ | 臓器移植について考えよう »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント