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2009年1月 8日 (木)

朝のひびき

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今日の名言

愛というものと、一夫一婦という堅い形式との間には、明らかに、幸福な偶然によってのみ解決するような矛盾がある。     ジンメル『愛の断想・日々の断想』「愛の断想」

07_sl_kurosawa21蓋のない冬空底のないバケツ 渡辺白泉

正月からしばらく東京では穏やかな晴天が続いた。雲ひとつなくはりつめた空はたたけばキーンと音がしそうだ。人も車も少ない正月は空気も澄んでいて山の稜線がくっきり間近に感じられた。

冬空と言ってもどんよりとした雪雲で覆われがちな日本海側の空と太平洋岸の空では様相が違う。掲句の空は冷たく澄み切った青空だろうが、こんな逆説的な表現で冬空の青さを感じさせるのは白泉独特のもの。

たたみかけるように続く「底のないバケツ」は「冬空」とのアナロジーを働かせてはいるが、単なる比喩ではない。蓋と底の対比を効かせ、「ない」「ない」のリフレインも調子がいいが「冬空」の後に深い切れがある。

見上げた空から身近に転じられた視線の先に「底のないバケツ」が無造作に転がっている。虚から実へ、とめどなく広がる冬青空を見上げたあとのがらんと寂しい作者の心持ちが錆びて底の抜けたボロバケツになって足元に転がっている。『渡邊白泉全句集』(1984)所収。(三宅やよい)

機関車の、車輪・押し棒・ブレーキ環・排管などの発車前の点検は、点検ハンマーで叩きその音の響きで、ボルトの緩み・ひび割れ・磨耗度などを聞き分ける。

白い蒸気の煙の中、コーンコーンと打ち鳴らす音が聞える操作場で、駅のホームから作業者のカンテラで姿も分かる。夜の開けない冬の今頃は、よく晴れていると、その音も違うらしい。乾燥した空気は、ピーンと張った音であるが、曇ったり、雨が降ったりすると鈍い音になるらしい。

静かな早朝に、電車の響きや・汽車の汽笛を雨戸を越えて聞えてくる。聞えてく響いてくる調子で、アア今日は、よく晴れているとか、曇っているとかが分かったものだが、今は、国道を走る車で感じる事は出来ない。

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