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2009年1月29日 (木)

信念なき政策では・・・施政方針演説

06oga_toga11演説とは、自分の考えを言葉で訴えて、聞く人に感動を与えることが大事で、聞いている人が居眠りするようでは説得力は弱い。

オバマアメリカ大統領の演説と比喩されるが、麻生首相の施政方針演説が昨日の国会で行われた。オバマ大統領は、与野党何はさて置き景気浮揚策を考えよう。そしてこの難局を一丸となって乗り切ろう。と訴えたが、麻生首相の演説は、国民の不信をかっている定額給付金・政策が揺れいるかのような印象さえ覚える言動では、国民の感動することはない。さらに、スピード・タイミング逸し、そして、政策が一貫したものがない。

朝日新聞社説・・・4カ月前の挑戦的な姿勢はすっかり影をひそめ、ひたすら経済重視。きのうの麻生首相の施政方針演説だ。昨年9月末、就任直後の所信表明で、首相は民主党に五つもの質問をぶつける異例の演説をした。

ねじれ国会での合意形成ルールをつくるつもりはあるか。対案を出すなら財源を示せ……。早期の衆院解散・総選挙を考えていたのだろう。露骨に対決ムードをあおったものだ。 今回は様変わりである。代わりに首相が強調したのは、いまの不景気、雇用危機などへの対応だ。「異常な経済には、異例な対応が必要だ」と、09年度予算案の中身を並べた。

こんな時に選挙どころではない。そこに国民の共感を得たいのだろう。しかし、衆院議員の任期は9月で満了するから、それまでに必ず総選挙がある。長くてあと7カ月余りの政権運営なのに、その後に控える選挙には全く触れなかった。4年ぶりの政権選択の機会に向けて首相がなにを訴えるか注目していた国民は、肩すかしにあった思いではなかろうか。

国民が今、政治に求めるのは「金融危機の津波から国民生活を守ること」だと首相は言う。「迅速に結論を出す政治だ」とも語った。 その言やよし。では、衆参で多数派が異なる国会のねじれをどう克服して結論を出すつもりなのか。その手だてについて「野党にも良い案があるなら大いに議論をしたい」と簡単に済ませたのはなんとも物足りない。

もっと本腰を入れて野党に話し合いを呼びかけ、大胆な妥協の構えを示すべきだったのではないか。内閣支持率が低迷する中で、解散はしたくない。さりとて9月までにはある政治決戦をにらめば、妥協もしたくない。演説には、そんな首相の苦境が色濃くあらわれていた。

「『官から民へ』といったスローガンや、『大きな政府か、小さな政府か』といった発想だけでは、あるべき姿は見えない」と首相は言った。問われるのは政府の大小ではなく、機能するかどうかだ、というオバマ米大統領の演説を思い起こさせる。市場や競争を重視し、政府の関与は小さくあるべきだという小泉元首相の構造改革路線と明確に一線を引く思いを述べたのだろう。

景気対策としての公共事業への封印を解き、財政再建の青写真も描き直す。そうした大転換をするには、本来なら有権者の信任に支えられた強力な政権が必要だ。首相の言葉がいま一つ胸に迫ってこないのは、信任の問題、つまり総選挙から逃げているからだ。まして小泉時代に得られた与党の議席数を使って押し通すというのでは、著しく説得力を欠く。

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