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2008年9月 6日 (土)

鬼にやんま

今日の名言

良人というものは、ただ妻の情愛を吸い込むためにのみ生存する海綿に過ぎないのだろうか。

夏目漱石『明暗』

035571鬼やんま湿原の水たたきけり 酒井 京

蜻蛉捕りは夏休みの思い出だけれど、たまたま訪れた八月の校庭に赤とんぼが群れているのを見て、ああもう秋なんだ、ともの寂しくなった記憶がある。鬼やんまは、一直線に猛スピードで飛んでいて、捕虫網で捕ることなど到底無理だったが、窓から突然すごい勢いで家の中に飛び込んで来ることがあった。

部屋の中でもその勢いは止まらず、壁にぶつからんばかりに飛び続けてはUターンする。祐森彌香の〈現世の音消してゐる鬼やんま〉という句を、先日人伝に聞き、飛ぶことにひたむきな鬼やんまの、何度か噛まれた鋭い歯と、驚くほどきれいな青い眼と縞々の胴体をまざまざと思い出した。

掲出句の鬼やんまは、湿原にいる雌。水をたたくとは、産卵しているのだろう。残念ながら鬼やんまの産卵に遭遇したことはないのだが、水面と垂直にした胴体を、底に何度も音がするほど突き刺して一心に産卵するという。湿原の水たたきけり、は、そのひたむきさを目の当たりにしながら、さらに観て得た、静かな中に生命力を感じさせる表現である。『俳句歳時記 第四版 秋』(2007・角川学芸出版)所載。(今井肖子)

鬼やんまと言えば、むかし近所の伯父さんが、ミツバチを飼っていた。ミツバチの巣箱が3っつあって蜂巣箱に出たり入ったりしていたのが、不思議なならなかった。

ある日近くまで見に行ったら、伯父さんが竹ざおに箒をつけて振り回しているのを見た。「何をしているの?」と聞いたら、「鬼やんまがミツバチを食ってしまうから、鬼やんまを追いやっているのさ」と言っていた。

昨日ちょっと、前の山に行って見たら赤とんぼが、すすきの、間を忙しそうに、飛んでいたのを見た。「ああもう秋なんだ!」と一人呟いてしまった。

このところ、毎日のように雨が降る。でも、昨日は降らなかった。遠くの丹沢の山並みを見たら、空に“いわし雲”が見られた。

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