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2008年9月28日 (日)

研究船“みらい”が探る北極の未来

05detohama11 NHK「スタジオパークでこんにちは」より

北極海の氷は去年、観測史上最小面積を記録し、温暖化に関連して大きな話題になりました。今年は、日本の研究船「みらい」が北極海の氷について調査を進めています。研究船「みらい」の目的と意義について、NHKの解説委員の谷田部解説委員に聞きます。

1.「みらい」とはどんな船なのか
正式な名称は地球海洋研究船「みらい」原子力船「むつ」の船体を改造し、ディーゼルエンジンで運行。海の中の海流や温度の変化などのデータを詳しく集め、異常気象の原因や地球温暖化などについて研究するための船。今回の北極調査は先月15日から来月9日までの56日間。北極海の主に太平洋側を調査する。

2.なぜ北極の調査が必要なのか
北極海に大きな変化が起きているから。北極海の氷は、夏場に最小面積になる。毎年の記録を見ると、日本が本格的に観測を始めた直後の90年代後半、と去年、急激に減っている。

なぜ、こんなことが起きるのか。
今後、北極海の未来は、氷の減少がどのように進むのか。しかし、コンピュータによるシミュレーションでの予測は難しい。正確に予測するためのデータがないから。氷に覆われていることもあって、北極海は海のデータの空白地帯。本格的な北極の学術調査は、冷戦が終わった90年代から始まったばかり。歴史が浅い。そこで、衛星からの観測ではわからない氷の状態はもちろん、海流や水温、塩分濃度、大気の動きなど、基礎的なデータを地道に集める必要がある。北極海の未来を予測するために「みらい」での観測が必要。

3.北極海の変化についてはどんなことが考えられるのか
北極海が、氷が融けやすく、氷ができにくい海に変化している。白い氷は太陽熱を反射する。氷が融けて海面が太陽にさらされると熱を吸収する。海水の温度が上昇して、更に氷を融けやすくする。その貴重な証拠が今回の調査で撮影されている。気温は氷点下。しかし、氷がやせ細っている。一つ一つの氷をよく見ると、上は溶けていない。ところが、海に浮かんでいる部分は溶けている。水温が氷が解けるほど高い。

水は熱しにくく冷めにくい。(大気の1000倍)
温度が上昇した海水は、冬になっても温度が下がりにくく、冬の間に出来る氷の量を少なくする。少なくなった氷が、夏になって更に融ける。北極海の氷の減少を加速することになる。これに、海流や大気の流れや、塩分濃度など変化が組み合わさって、北極海の氷の量を決めている。データを集めて分析する以外にこの現象を捉える方法はない。

4.これからの研究の課題は
北極海の氷の減少は、経済的にも注目されている。北極海航路の開設によって、ヨーッロパとアメリカが近くなる。海底では石油などの資源が豊富。経済を巡るロシア、アメリカ、カナダなどの思惑が北極海に向けられている。

このため、「みらい」が目指すような学術的な調査は、排他的経済水域では認められない場合もある。地球の未来のために、北極海を自由に調査できるような取り決めが必要である。また、もっと詳しく知るには、氷に覆われたところでも調査が必要。「みらい」は氷を砕く砕氷能力がない。砕氷船での調査が必要。北極海は温暖化の影響が強く表れる場所であると同時に、温暖化を加速させる可能性もある。

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