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2008年9月15日 (月)

世界経済の不透明は続きそう

07akitakoma_sumire11米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が米証券大手メリルリンチを440億ドル(約4兆7000億円)で買収することで合意した、と伝えた。バンカメと英銀行大手バークレイズは経営危機の米証券大手リーマン・ブラザーズの買収を検討したが、米政府の支援が望めず難しいとの判断に傾き交渉は不調に終わった。リーマンの救済策をめぐる官民協議は難航しており、経営破たんの恐れが強まっている。

サブプライム住宅ローン問題に端を発した金融危機は経営体力の弱った米金融大手の淘汰と大型再編に発展する様相だ。バンカメは、リーマン同様にサブプライム問題関連の損失拡大に苦しむメリルの買収に転じた。ニューヨーク市場のメリルリンチ株は、12日の終値が17・05ドルで、1週間前に比べて4割近くも下落していた。

朝日新聞社説は、米国で金融不安が高まる。その一方で、景気の悪化が世界的に広がり、高騰していた原油相場が一時100ドルを下回るまで下落した――。

そうした先週の動きを総合すると、昨年8月に米国で始まったサブプライム問題による国際経済の混乱が、新しい段階に入ってきたように見える。まず週初めに米財務省が、経営危機にある政府系の住宅金融機関2社を政府の管理下に置いた。国有化の一歩手前ともいうべき措置だ。

2社が関与する住宅ローン関連証券は約5兆ドル(約530兆円)の巨額にのぼる。これらには「暗黙の政府保証がある」とされたため、海外の中央銀行や金融機関が1兆5千億ドル(約165兆円)も保有している。

これが焦げつけば、世界中の金融市場が大混乱に陥り、ドルも暴落する恐れがある。「米金融史上最大」ともいわれる救済策は当然のことだ。しかし、それでも米国の金融不安は収まらない。すぐさま証券大手リーマン・ブラザーズの経営不安が持ち上がった。週末には同社の救済策について、財務長官とニューヨーク連銀総裁が主要金融機関のトップを招いて協議する異例の事態になった。

金融不安が高まったのは、サブプライム問題を引き起こした住宅価格の下落が進み、なお底が見えないからだ。体力を失った銀行が融資を渋り、それが米国の景気をさらに悪化させるという悪循環が始まっている。

引きずられるように、世界の景気悪化も表面化してきた。週半ばに欧州委員会が、今年の成長率見通しを下方修正した。空前の高成長を続けてきた中国も、五輪を終えて減速しだした。

そして週末には、ニューヨークで原油が一時1バレル=100ドルを割った。7月につけた史上最高の147ドルから、2カ月で3割以上も急落した。世界の人々の節約と景気悪化により、需要の減退がはっきりしてきたからだ。

サブプライム問題以降、混乱する金融・証券市場を嫌った投機資金が原油市場へ向かい高騰させてきたが、この流れは終わったようだ。投機資金が次はどこへ行くか、まだ見えない。最大の心配は「ドル売り」へ向かわないかということだ。いまのところ、原油と歩調を合わせて急上昇していたユーロが下落し、ドルは相対的に堅調だ。

だが、米国の金融不安と世界の景気悪化は終わらない。両者とも、むしろこれから厳しさを増していくのではないか。米国の金融危機と景気後退が「ドル暴落」に結びついたとき、世界経済が被るであろう打撃は計り知れない。最悪の事態を防ぎつつ、景気好転への出口を探る。米国を始めとした世界の経済は、いばらの道が続きそうだ。

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