公定歩合のコントロールで経済活性化
世界的に不景気風は、収まらない、その国の経済をコントロールする、米連邦準備理事会(FRB)議長。日本の日本銀行総裁の公定歩合で日本経済は、大きく変わる。このところの不景気が長引きもその見極めが難しい。
日経新聞コラム春秋より、低金利の期間が長すぎた、などと手厳しく批判されているのが、グリーンスパン前在任中は「巨匠」ともたたえられたが、住宅バブル崩壊で揺れる米国では、今や、いけにえのヤギの印象だ。
そんな批判をどんな思いで聞いていただろう。7日逝った澄田智元日本銀行総裁も同様の批判を受けた。経常黒字減らしのため金利引き下げの先頭に立ち、バブルに入ってからは日銀生え抜き組の懸念をよそに公定歩合を2年3カ月も2.5%に据え置いたからだ。退任後「確かに低金利は長すぎた」と反省の弁。
それでも、ご本人が悔しそうに語るのを聞いたことがある。1986年秋、米国から内需拡大を迫られたとき、大蔵省の幹部から電話があった。「ここは金融緩和でやってください。お願いしますよ、先輩」。自らが事務次官を務めた古巣からの頼みを断れず、その後の低金利政策につながっていった。
バブルの後、日銀の独自性をうたう新日銀法が成立、財政と金融の分離も実現して建前上、行政府の介入はなくなった。だが、こんどは政治家が必要以上に日銀に介入している。民主党が先の国会で、高名な経済学者の幹部起用まで阻んだのは理解に苦しむ。日米のバブルの教訓にまだ学び足りないのだろうか。
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