« 人間形成と道徳教育 | トップページ | 朝涼は気持ちよし »

2008年8月 1日 (金)

ピロリ除菌で胃がん発症が3分の1

3612毎日新聞webより、                                               胃の粘膜にいる細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を薬で除菌すると、胃がん発生が3分の1になるとの研究結果を浅香正博・北海道大教授(消化器内科)らがまとめた。2日付の英医学誌ランセットで発表する。

胃がん予防目的の除菌は現在、公的医療保険の適用外。適用に向けた議論が活発化しそうだ。 研究は国内51病院で実施。早期胃がん患者505人の協力を得た。内視鏡で治療した後、半分の患者に除菌の薬を飲んでもらった。半分は除菌しなかった。治療したがん以外の胃がん(2次胃がん)ができるか調べた。

3年間に2次胃がんができたのは、除菌した群で9人、除菌しない群で24人。詳しく計算すると胃がんリスクは、除菌しない場合を1とすると、除菌した場合は0.34だった。効果が明らかだったため、除菌しなかった群も後ほど除菌した。

これまで、除菌で「前がん状態」が改善したなどの研究結果はあったが、除菌するか否かの割り当てをくじ引きで決める「無作為化比較研究」で除菌による胃がん予防効果を示したのは世界初。初発の胃がん減少も期待できる。

国内の胃がん新規患者は年約11万人、死亡は約5万人。富永祐民・愛知県がんセンター名誉総長(疫学)によると「胃がんの8割以上はピロリ菌感染が原因と考えられる」。感染率は若い世代は低いが、50歳以上は7~8割。団塊世代ががんを発症しやすい年代に近づき、患者は増える可能性が高い。

浅香教授は「除菌で胃がん発生を大幅に減らせる」と、現在は、胃潰瘍(かいよう)か十二指腸潰瘍の患者に限られている除菌の保険適用を、ピロリ菌感染者全体に広げ、胃がん予防に役立てるべきだとしている。

険適用外だと薬代と検査代で1万数千~2万円ほど。日本ヘリコバクター学会も今回の研究結果をもとに今秋、指針を改訂し、除菌を勧める予定だ。

ヘリコバクター‐ピロリ【Helicobacter pylori】

胃の幽門部にすむ一種の細菌。ウレアーゼをもち尿素を分解して酸性環境でも生息できる。胃・十二指腸潰瘍(かいよう)の原因菌として注目されている。オーストラリアの医師B=J=マーシャルが1983年に発見。

« 人間形成と道徳教育 | トップページ | 朝涼は気持ちよし »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ピロリ除菌で胃がん発症が3分の1:

« 人間形成と道徳教育 | トップページ | 朝涼は気持ちよし »