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2008年8月26日 (火)

中国のこの先

282_field111過去に類がない“異色”ずくめの五輪が幕を閉じた。51個もの金メダルを獲得して圧倒的強さを見せた中国選手に、中国の国民は「加油(ジャーヨウ)!」と熱狂的声援を送り、自国賛美に徹した。そんな中国の異質さが世界に印象づけられた大会でもあった。五輪は中国に何をもたらしたのか? 五輪“清算”後に中国を待つものは何か? 

京五輪の開幕式は圧巻だった。100億円の巨費を投じ、1万4000人が一糸乱れぬマスゲームで紙、活字、火薬、羅針盤という中国4大発明を表現。中華文明の偉大さをうたい上げた式典は、世界の目をくぎ付けにした。

だが、その後明らかになった内幕は、さらに世界を驚かせた。巨人の足形の花火が合成映像だったことが発覚。直後に、「天使の歌声」で魅了した少女(9)の歌声も別の少女のものだったと暴露された。極めつけは、国内56民族の衣装で行進し、「民族融和」をアピールした子供たちの大半が漢族だったこと。

熱狂的応援は諸刃の剣にもなった。バドミントンで日本のスエマエ(末綱聡子、前田美順)ペアに敗れた中国ペアには非難が集中した。優勝を期待されながら棄権した陸上百十メートル障害の劉翔選手(25)には「恥」「逃げ劉」などの罵詈雑言が浴びせられた。

中国では『五輪が終わった後の“清算”が大変だ』との声が出ている。五輪で先送りにしてきた問題があまりに多い」と指摘する。

治安への懸念は昨年からすでに現れていた。中国語のサイトには「爆弾の作り方」といった情報が流れ、軍の施設から爆薬が持ち去られる事態もたびたび起きていたという。

今年に入り、警察の腐敗に対する暴動も頻発。五輪開幕前後には雲南省の連続バス爆破事件、新疆ウイグル自治区での警官隊32人殺傷事件、さらには容疑者を含む12人が死亡するテロなどが相次いだ。これに対し、中国当局はテロリストを容赦なく射殺。五輪会場付近の不審者は片っ端から身柄を拘束した。デモを公認しながらデモの申請者を警察に引き渡したり、労働教育処分にした。

「賃金高に加え、環境にも配慮せざるを得なくなり、『世界の生産基地』としての圧倒的優位がなくなる。石油や金融分野で世界を圧倒する企業がある一方、物価高で暮らしていけないレベルの人も出る。先進国としての“頭”に大衆という“体”がついていけない苦しみが幕を開ける」と予測する。

胡錦濤主席も五輪直前に「大きな挑戦と困難に直面している」と今後の経済に危機感を示した。

労働力の面でメリットだった13億の人口が、大きな負担になる。いいところは極端に良く、悪いところは極端に悪い両極端が併存する時代に入る。経済成長は鈍化し、犠牲になる人が増すだろうが、社会がどこまで耐えられるか。胡政権は大きな舵の転換を迫られている。【zakzak(抜粋)】

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