日本で一番短い手紙
かあちゃん『「きぬかつぎ」を食べたら、かあちゃんの荒れた手を思い出したよ』
里芋の子芋の根を落とし、皮付きのまま蒸すか茹でて、塩をつけて食べる。平安時代の高貴な婦人が外出するときに顔を隠すために被った一重の小袖を『衣被(きぬかつぎ)』と言い、里芋のきぬかつぎの様子が、薄い衣を被った白い顔のように見えるところからそう言われるようになったという。
俗に、里芋の一品種である石川早生のことを『きぬかつぎ』と呼ぶことがあるそうだ。
それから、塩をつけて、食べると、60年前のむかし、母が、子芋をよく茹でてくれた。あの頃の母は、農作業初め、藁仕事で手が何時も荒れていた。冬などはあかぎれが出来て、痛そうだった。
おいしかったなあ・・・。兄も、妹もみんな食べた。
今日のNHKのラジオ深夜便で、日本で一番短い手紙文の再現、手紙文化の復権を目指そうということから始め、作品の紹介があった。400年程前に徳川家康の功臣、本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てて送った手紙として有名である。文中の“お仙”とは重次の息子仙千代で、後の丸岡城6代目城主となった本多成重のことである。
その放送を聴いていて、ふと思い出して記して見た。私も今、母に一番短い手紙を書いてみた。『母の手』は何といても、凄い魔法の手でもあった。私の手を引いてくれたり、頭を撫でてくれたり、時には叩いてくれたり、今は感謝している。
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