« 道元禅師の言葉 | トップページ | 八月というと »

2008年8月 8日 (金)

アジアの発展と人権問題

15401いよいよ、北京オリンピックは、今日開かれる。中国の発展は目を見張るものがある。13億人の人口で55の民族である。新疆ウイグル自治区やチベット自治区など、宗教的にも問題が多い。今日のニュースでも東トルメキスタンのイスラム勢力の反抗予告がテレビに映し出された。この背後には、ビン・ラデイン率いる。テロ組織アルカイーダがあるようだ。

誰かの言うとおり、かつての、ベルリンオリンピック、モスクワオリンピック、ベオグラードオリンピックを開催した国、ナチスドイツ、ソビエト連邦、ユーゴスラビアは、すべてオリンピック開催後、ほぼ10年以内に崩壊している。北京オリンピック開催の背後には、こうしたことを踏まえた欧米のしたたかな戦略があるのかもしれない・・・。と。

まだまだ中国は、新興国で色々な問題を抱えている。浮き足立ったオリンピック開催で、見失っている、宗教・格差・人権など多くの問題を抱えている。特に人権・環境汚染などは、国際社会から、今後の中国の対応が注目されている。アジアの発展は、中国のみならず、ベトナム・タイ・ミャンマーなど将来を注意深く見ていく必要がある。

北京五輪の開会式出席を前にしたブッシュ米大統領がバンコクで演説した。選挙に出馬しない米大統領の外交活動は8月に事実上終わる。バンコク演説はブッシュ政権のアジア政策の総括となった。

そこで焦点を当てたのはアジアの人権問題だった。北京ではなくバンコクを選んだのは、中国を刺激するのを避けただけではなく、20年前のビルマの8月8日を意識したのだろう。

中国の人権問題には「深い懸念」を表明し、胡錦濤・国家主席との会談で人権政策の改善を要請する構えを示した。ミャンマーについてはより強く「専制政治の終焉(しゅうえん)を求める」と述べ、自宅軟禁が続く民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏の解放を求めた。

ミャンマー軍政は、それまでの社会主義路線を転換し、外資導入を軸とする産業育成を推進してきたが、効果をあげていない。民主化勢力弾圧を批判する先進諸国の経済制裁のためとされる。

中国やインドが経済成長を遂げるなかで1人当たり国内総生産(GDP)は200ドル強にとどまる。国連は後発発展途上国(LLDC)に認定したままだ。専制が経済成長を妨げる典型である。

一方で経済利益や別の政治目的を優先し、国際社会が専制や人権抑圧を黙認する場合もある。

ブッシュ演説も、北朝鮮に対しては核問題に触れ、申告した核計画に関する今後の検証作業について核拡散、ウラン濃縮活動も対象に含まれると強調した。しかし人権問題への明確な言及はなかった。

ブッシュ大統領は演説を締めくくるにあたり「アジアは機会と実績と影響力を増大し続けると確信する」と述べた。アジアの光の裏側にある人権問題を国際社会がどう改善するのか。ミャンマーや中国の例は試金石になる。

« 道元禅師の言葉 | トップページ | 八月というと »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アジアの発展と人権問題:

« 道元禅師の言葉 | トップページ | 八月というと »