船出した解散準備内閣
福田康夫首相が内閣改造を行った。「安心実現内閣」としているが、国民の目線を強調した、メルマガ41号だった。しかし、内閣支持率低迷で解散準備内閣となったようだ。
朝日新聞社説(抜粋)より的を得ていると、感じたので記して見た。
年間自殺者が3万人以上を10年も続けているように、閉塞感はフラストレーションが蓄積されている。
国民の不安に応えよ !!
その意味では、両者の利害が一致しての「福田・麻生政権」である。
この新体制には大きな意義がある。首相が政権を投げ出さない限り、来秋までに必ず行われる総選挙にこの陣容で臨むということだ。したがって、この新布陣の最大の仕事はそれに備えることであり、まさに「解散準備内閣」の呼称がふさわしい。
そこで、首相に改めて求めたい。
昨夏の参院選で民主党など野党が参院の主導権を握って以来、政治の「ねじれ」が続く。3年前の総選挙で圧勝した与党は衆院の多数を占め、ともに「民意に支持された」と主張して譲らない。政治状況を打開するには、一日も早く衆院を解散し、政権の正統性を民意に問わねばならない。
首相には気の毒な面がなかったわけではない。いきなり「ねじれ国会」に直面し、年金記録をめぐる社会保険庁の大失態など、前政権からの積み残し課題の処理に追われた。
そんななかで、何をやりたいのか、どんな政治をめざすのかを明快に示せなかったことが、内閣支持率を低迷させた大きな原因でもあった。
それがここへきてようやく、首相の訴えたかったテーマが形を見せ始めた。医師不足対策や子育て支援策を盛り込んだ「五つの安心プラン」や、消費者庁の創設などだ。国民の暮らしの安全、安心を守るという福田流「静かな革命」の青写真というわけだ。
秋の臨時国会で法案などを処理し、来年度予算案で具体的に肉付けしたうえで、最も有利な時を選んで総選挙に打って出る。首相はそう思い描いているに違いない。
だが、首相が置かれた立場は極めて厳しい。
「安心」と言うなら手はじめに、来年度から国庫負担が増える基礎年金の財源をどう確保するのか。膨らむばかりの政府の借金をどう整理し、返済していくのか。このまま社会保障の機械的な切り下げを続けていくのか。
こうした問題を放置し続ければ将来、とんでもない苦痛を強いられることにならないか、と国民は不安を深めているのだ。それに応えなければ、有権者の信頼は得られまい。
今回の改造で、消費増税に積極的な「財政再建派」の与謝野馨氏が経済財政担当相に起用された。社会保障などの財源問題に正面から取り組むつもりなら歓迎したい。
首相は消費増税について「2、3年の長い範囲で考える」と語ってきた。これでは単なる先送りである。年金や社会福祉などの財源をどのように工面していくか、しっかりした行程表を示してもらわねば困る。
福田新体制にはただちに対応を迫られる難題がある。臨時国会の召集時期をめぐる公明党との調整だ。
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