「さらに減速」から「停滞」へ
今日の、日銀政策会合でも、景気判断については前回7月会合の「さらに減速」から「停滞」へと、2か月連続で下方修正した。「停滞」の判断は金融システム不安が高まった1998年前半以来、約10年ぶり。と先が読めない、不透明さが不気味となって来た。何と言っても福田康夫首相の国民の目線で政策を考え施行に期待しよう。そこで、今日のbusiness i のwebに載っていた記事が目に付いたので記して見た。
さる8月2日に成立した福田改造内閣は、その後の福田首相本人の発言を聞き、麻生太郎自民党幹事長や与謝野馨経済財務担当大臣の言動を観察すれば、これが「不況対応内閣」であることは明らかだ。やや遅すぎた感はあるものの、政府はようやく小泉改革の頚木から脱して、現実に向き合おうとしている。
もちろん、財政累積赤字やゼロに近い政策金利を思えば、米国のような財政および金融両面からの大胆な政策がとれるとは思えない。しかし、日本は欧米とは異なり金融システムはそれほど傷ついていない。これが10年前の金融危機のときとの決定的な違いだろう。1998年のさいには金融システムが機能不全に陥っていたので有効な金融政策もとることができなかった。
まず、財政赤字問題だが、麻生幹事長は財政健全化を優先する必要はないと述べて財政出動も示唆している。この背景には、日本の国有財産とくに金融資産についての考え方が変わってきたことがあげられる。皮肉なことに、国民に金融資産が多いことを教えたのは、今回、内閣から一掃された上げ潮派のブレーン高橋洋一氏による「埋蔵金」の指摘だった。実は、政府の金融資産が他国に比べて多いことは、これまでも多くの経済学者や経済評論家が指摘してきたが、それを活用する話にまでは至らなかった。
次に、金融政策の問題だが、現在の白川方明日銀総裁は、困ったことに名うての金融緩和懐疑派だ。これでは、いまの萎縮型金融政策を転換させることは難しいだろう。これも、大ミスをした前総裁を辞任に追い込まなかったことのツケだが、いまさら仕方がない。他の日銀政策委員に頑張ってもらうしかあるまい。
急激な落ち込みがきたとき、政府は一方では財政政策により、他方では金融政策により対応することになる。半端な経済入門書を読んで、グローバル時代には財政政策はまったく効かないと信じている人は、米国の経済学教科書で読み直すとよい。まったく効かないのは小国の場合であり、為替レートに影響を与えられる規模の国にとっては、ある程度の効果が期待できる。そのためには日銀が急速な金融緩和を実行しなければならないのである。(ジャーナリスト)
しかし、古賀自民党選対委員長は2兆円規模が必要と鼻息が荒い。これも選挙対応から民主党などは、ばら撒き予算が見え見えだと非難している。
これほどまで落ち込んだ景気を持ち直すには、世界経済に反応すくらい効果ないと半年もすれば、乾いてしまうのではないかと思う。
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