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2008年7月31日 (木)

老いを考える

08nairikusen_kayabuki11「生老病死」人は生まれ、老いて、病んで死んで行く、誰も同じで、不老なんてあったら世の中太陽が西から上がる。しかし、いま年をとり初老となって尚人生の迷いがあるようで、今自分の存在価値とか、この世にいることの意味など考えることがある。

最近、隣町の同級生の農家に野菜などを分けてもらいに良く出かける。その家の家族構成は、同級生の夫婦と86歳の腰の曲がった、お婆さんの3人暮らしである。牛4頭と、一町4反(約4200㎡)を耕作し、アパート(24個)2棟持ている。そのお婆さんが2ヶ月前に胃がん手術をして、元気がないが、野菜を売ってくれる。

そのお婆さんがしみじみ、言った。「何も欲しくない、死んでいくのに、お金も、着物も、美味しい食べ物も、何もいらない」、私はこの家に嫁いで来て、苦労ばかりの人生であった。でも昔の人は皆同じ苦労してきていまがあるんだ」・・・。そして、夫婦でいまの財産を築いてきた。もう財産も何もいらない。百姓なんてしたって、水も飲めない。近郊農家では朝から晩まで休みなく働いても、税金で、土地を維持して行くだけで精いっぱい。涙ながら話した。

本当に何の為に生きてきたのだろう?考えてしまった。 そこでちょっと、こんな事を。

光陰矢の如し”と言われるように、時はあっという間に過ぎ去ってしまう。誰もが、いつか必ず老いを迎えなければならない。何歳位から老いると考えるかは人によって千差万別であるが、どのように老いを迎えていくかは、大変重要なことであると思う。今日は、この「老い」ということについて、日ごろ思っていること記して見たい。

字が見えにくくなり、顔のしわや白髪が目立ち始める・・・色々な処に衰えを感じ始めるのが「初老期」である。早い人は40才位から感じ始まる。この時期は「思秋期」ともいわれている。「思春期」が、大人になる前の心や体が大きく変化する時期であり、それにどう対処し乗り越えて行けばよいか思い悩む時、誰もが通る苦しい戦いの時であるのと同じ様に、「思秋期」もまた人生の大きな転機、戦いの時なのである。

前に出来たことがだんだん出来なくなる、新しいことがなかなか覚えられない・・・そういう変化を受け止めがたく、不安やあせりが出てきてしまう。ここで、そういう自分をそのまま受け止められないと、何度も同じことを聞くのが躊躇され、初めからもうダメだと逃げて自分の世界を狭くしてしまう。むしろ今は新しいことを覚えるのに3倍の時間がかかるんだと認めれば、ちゃんとマスターしていける。(ある人が、記憶力は7歳の子供と70歳のお年寄りと同じという)

また、この時期は「ウツ状態」になりやすい時でもある。「ウツ」は喪失感からやってくる。今までの体力が失われ、また子供も親のもとから離れて行く。それは子供の自立という喜ばしいことの筈だが、子供が自分の所らから失われていくと感じてしまう。

この時期は、あらゆる意味でウツになる要素を兼ね備えた時であり、また私達が人生の新しい局面に向かう時なのでだから、誰でも不安になるのはむしろ当然である。こんなはずはないと否定するのではなく、そういう年代になったのだと正しく受け止めるなら、かえってそれほどひどく落ち込まなくてもすむと思う。

やがて更に年を重ね、「老年期」を迎える。がんばりがきかなくなり、否応なしに自分の体の衰弱を認めざるを得ない時が来る。そしてついには「老衰期」を迎え、この地上での生涯を終える。

ある牧師婦人が年をとり、やがてボケの症状も加わって言葉を失っていきました。そして最後に残ったのは、たった3つの言葉でした。それは、「まあステキ!」「ありがとう」「良かったですね」。最後には、どんな言葉が残るのだろうか。それぞれの時をふさわしく生き、美しく老いていきたいものだ。そのために必要なことは何であろうか。

『白髪は光栄の冠、それは正義の道に見いだされる。』

正しく生きる時、美しく老いることが出来るのだ。では、正しく生きるとはどういうこは・・・。

正しく生きることは、年を重ねて、どんな状態であってもそのままに受け入れ、認めることが出来る心である。
ひがみやねたみは出てきません。かえって心から「ありがとう」と言うことが出来る。それは、自分が価値ある者として受け入れられていると知ることから来る心の想いである。

たとえ私達の肉体は衰えていくとしても、内側から日々新しくされる命に生きることができる。この命の中に心豊かに生き、美しい老いを迎えていきたいものだ。

絶対に「死を待つだけの日々とならないよう」に祈りたい。

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