青芒(あおすすき)のこと
今日の名言 |
マルクス・アウレーリウス『自省録』 |
青芒川風川にしたがはず 上田五千石
この句を読んだときいっぺんに目の前がひらける感じがした。山登りでちょっとした岩場に出て今まで林に閉ざされていた景色がパノラマで広がる、そんなすがすがしさと似ている。自然を描写した句は多いけど、すかっと気分がよくなる吟行句は案外少ない。
川そばの青芒が強い川風にいっせいになびいている。その風向きと川が流れてゆく方向が違う。と、字面だけを追ってゆくと理屈だけになってしまうこの句のどこに引かれるのだろう。
川の流れが一望できる高台で、視覚だけでなく頬を打つ風の感触で作者は眺望を捉えているのだ。夏の日にきらめく川の流れる方向に心を乗せて、かつ青芒をなびかせる風を同時に感じた時ひらめいた言葉が作者の身体を走ってゆく。
リズムのよいこの句のすがすがしさは、広がる景の空気感を言葉で捉えなおした作者の心の弾みがそのままこちらに伝わってくるからだろう。その時、その場でしか得られない発見の喜びが景の描写に輝きと力を加えているように思う。『遊山』(1994)所収。(三宅やよい)
青芒(あおすすき)夏の季語だ。毎日見ている湯殿川の川沿いに生い茂っている。青芒を見て、50年前頃の生活を思い出す、芒は、人と係わり合いが深かったと・・・。なぜなら、草葺屋根には、必要で、毎年屋根普請に使う為、刈って貯めていた。
また、牛の餌に今の時期に青芒刈って、押し切りで小さく切って、ふすま、おからなどを混ぜてかいば桶にいれ食べさせた。そのために、青芒は、格好の牛の餌で、よく採った。しかし、青芒で、脛に傷を付けて、痛い思いをしたものだ。
すすきは、繁殖力が強く、一旦根付くとどんどん株が大きくなって、2メートル以上に背丈がなる。今は厄介な存在となってしまった。だが、すすきは、水の浄化作用があって水辺に生えいるものは残しておきたいと河川管理者の話もあった。
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