« 「ファイトケミカル」 | トップページ | 通り魔事件続発 »

2008年7月24日 (木)

財政収支悪化に思い切った政策を

7081政府の公約である、国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の11年度黒字化がこのままでは達成困難なことが、経済財政諮問会議に民間議員が提出した試算で一段と鮮明になった。

今朝の朝日新聞の社説より、苦労しないでお金がわいてくる「打ち出の小づち」など、現実にはあるわけがない。しかし、福田政権の財政運営を見ると、おとぎ話を信じているのではないかと思いたくなる。

政府は中期の財政見通しを示した。それによると、11年度までの5年間で14.3兆円という大幅な歳出削減を前提にしても、なお、借金の利払い費以外の歳出を税収で賄う基礎的財政収支は3.9兆円の赤字になるという。

1月に公表した試算では、同じ前提で約7千億円の赤字とみていた。しかし、原油や食糧の高騰などによる景気の減速で税収を下方修正した結果、赤字幅が膨らんだ。11年度に基礎的財政収支を黒字化する目標は、これで増税なしには達成が難しくなった。

だが、福田内閣がこの難問にどう取り組むのか、さっぱり見えてこない。取り組みの第一歩となるのが来年度予算だ。その骨格となる概算要求基準を29日に閣議了解するが、そこで決めようとする歳出削減のペースは従来とさして変わらないのだ。あれだけ国民的な議論になった道路特定財源の一般財源化でも、一体どれだけを振り向けるのか、一向に示していない。

なかでも最大の問題は、基礎年金の財源である。現在は財源の3分の1を国庫で負担しているのを、来年度から2分の1へと引き上げることになっている。これには2.3兆円が必要になるが、それをどうやって調達するかの議論さえ始めていない。

もしこれを歳出削減で生み出すのなら、従来ペースの削減ではまったく追いつかない。概算要求基準を大幅に減額したうえで、来年度の予算づくりを始める必要がある。だが、その可能性はなさそうだ。

では増税で調達するのかといえば、福田首相はそうした方向も示していない。政府や自民党で税制改正の論議が始まったが、首相の大方針が出されていないため開店休業になりそうだ。

かくて、予算の大枠を左右する方針が定まらないまま、来年度の予算編成が始まろうとしている。

なぜこんなことになっているのか。総選挙である。来年9月の衆院の任期満了までには必ず総選挙がある。増税を掲げたら選挙を戦えない。予算の大幅削減も、組織票を失うから打ち出せない。首相をはじめとして与党はそう考えているのだろう。

しかし増税に口をつぐんでおいて、選挙が終わったら増税を持ち出すなどということが許されるはずがない。予算削減にしても同じことだ。

参院選も考えれば、2年に1度ぐらいは選挙がある。それを避けては通れない。財政運営の基本方針を選挙で国民へ率直に訴えて支持を得る以外に、打開する道はないのだ。その覚悟を福田首相は見せてほしい。

« 「ファイトケミカル」 | トップページ | 通り魔事件続発 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 財政収支悪化に思い切った政策を:

« 「ファイトケミカル」 | トップページ | 通り魔事件続発 »