豪華さでは鳥の王様
今日の名言 今日まであらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である。 |
マルクス、エンゲルス『共産党宣言』 |
作者の目の前にやってきた孔雀がそれまで閉じていた羽を大きく広げる。豪華なその羽を背景として今まで気づかなかった細かい雨が作者の目にはっきりと見えたのだろうか。茂り始めた緑を滴らすような「緑雨」と孔雀との取り合わせがエキゾチックな雰囲気を醸ししている。
広辞苑によるとインド孔雀は藍色、マクジャクは緑がかった羽を持っているらしいが、掲句の孔雀はどちらだろう。小さい頃家の近くにあった動物園にも孔雀がいて3時きっかりに羽を広げるという噂を友達から聞いたことがある。何回か動物園に通い、夕暮れまで檻の前でじっと待ってみたが、全て空振りに終わった。
それ以来目の前で孔雀が羽をひろげる幸運にめぐりあったことはあまりない。最初から羽を広げている孔雀ではなく、長い尾羽を引きずりながら悠然と歩み寄ってきて、「はいっ」とばかりに気合を入れて羽を広げてくれるのがいいのだ。
作者の眼前にやって来てするすると羽を開いた孔雀は金のまじった豪華な羽を夢のように揺らしているのだろう。うらやましい。『方寸』(2004)所収。(三宅やよい)
3年前に亡くなった長兄の趣味で孔雀を飼っていた。餌を上げるのが日課で、孔雀用雑穀を買ってきては朝夕に与えていた。時々羽を広げて見せたことがあったが、その時は存在をメスにアピールしていたのだと思えた。
鳥は、元来どの種類でも、オスの方が派手である。が特に孔雀は目を見張ってしまう素晴らしい色のバランスと豪華さは、鳥族でも最右翼だ。そして、鳴き声もオスの方が優雅で品格がある。
見ると、聞く鳥も競い合う鳥の中で、尾長鳥は、四国の高知県で飼われているそうだが、国の特別天然記念物、交配や改良を重ね10mもの尾羽をもつようになった。龍河洞の龍河洞珍鳥センターで実物を見ることができる。桂浜の闘犬センター内にも飼育されているとか。
それと、鳴き声が、とてつもなく長い(1分ぐらい延ばす)鳥も飼育されているとか。いずれにしても豪華さでは、孔雀は鳥の王様だ。
「行く春や鳥啼き魚の目は涙」 芭蕉 (春が去ろうとしている。そして我々も旅立とうとしている。その心細さに、鳥の鳴声が泣いている様に聞こえ、魚の目には涙が浮かんでいる様に思えるよ)
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