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2008年5月 6日 (火)

鑑真忌

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毎日新聞(余禄)より

奈良・西ノ京の唐招提寺では「瓊花(けいか)」が見ごろとなり、特別公開されている(6日まで)。白いガクが美しいこの花は、開祖、鑑真和上の故郷(中国・揚州)、大明寺で育てられ、没後1200年を記念して1963年、中国仏教協会から贈られた。

天平の昔、鑑真は大明寺で日本の留学僧に渡日を懇願され、「仏法のために命を惜しむべきでない」と決意。「山や川の景色は国によって違っても、風や月は同じように天にある。たくさんの仏の弟子を集めて、ともに縁を結ぼう」と語っている。

暴風や周りの妨害などで5度失敗、高弟を失い、両目の失明という苦難の末に宿願を果たしたことはよく知られる。「苦しんでいる者を何としてでも救いたい」という大乗仏教の「慈悲」の精神があふれ、鑑真は日中の仏教をつなぐ象徴的存在だ。

きょう6日は、その命日(旧暦)。若い留学僧たちと鑑真の生涯を名作「天平の甍(いらか)」で鮮やかに描いた作家、井上靖の誕生日でもある。さらに中国の胡錦濤国家主席が来日、歴史に新たな一歩が刻まれる。

あすの首脳会談で、両国は中国製ギョーザ中毒事件や東シナ海のガス田開発について打開の道を探ってほしい。人権侵害と文化的抑圧を訴え、国際社会に「慈悲」を求めているチベットの問題に日本は隣人として率直に助言すべきだろう。

若葉の季節、鑑真和上座像(国宝)を目にした芭蕉の一句。「若葉して御目(おんめ)の雫(しずく)拭(ぬぐ)はばや」。日本の地を踏んだものの、緑の山河を見ることができなかった鑑真の目に芭蕉は涙のしずくを見た。「瓊花」もその涙に見えてくるが、鑑真のまぶたに今、日中の未来はどう映っているだろうか。

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日本と中国とのかかわりは歴史的にも深いものがある。鑑真和上は、唐の僧で、日本律宗の開祖。上海の北、長江河口の揚州(ようしゅう)出身。701年、13歳の時に父に連れられ大雲寺を訪れた際、仏像を見ているうちに身体の奥底から感動が込み上げてきて出家したという。律宗や天台宗をよく学び、揚州・大明寺の住職となった。そんなある日、鑑真のもとへ2人の日本人僧侶が面会を求めてきた。入唐僧,榮叡・普照の二人である。

唐招提寺を来日中の中国の胡錦濤国家主席が訪問する予定である。

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