休みたいならやめればいい
日本電産(京都市)の永守重信社長が「休みたいなら会社をやめればいい」との趣旨の発言をしたと報じられ波紋を呼んでいる。コンプライアンス(法令遵守)にうるさいご時世だけに、連合の高木剛会長から「言語道断」と批判され、同社は慌ててホームページ上で発言を否定した。永守氏は猛烈な仕事ぶりで知られるカリスマ社長で業績も絶好調。経営者の鑑か、サラリーマンの敵か、賛否両論が飛び交っている。
騒動の発端は、4月24日付の朝日新聞朝刊。08年3月期決算発表の席で、永守氏が「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし、給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」「休みたいならやめればいい」などと話したと報じた。
これに連合の高木会長がかみついた。同26日に都内で開かれたメーデー中央大会で「まさに言語道断。労働基準法という法律が雇用主に何を求めていると思っているのか」と名指しで“糾弾”したのだ。
日本電産は2日後の同28日に公式HPで発言自体を、「そのような事実はなく、誠に遺憾に思っております」と否定したが、永守氏は過去にも著書やメディアで強烈な個性を発揮してきた。
永守氏は職業訓練大学校を卒業後、音響機器メーカーに就職し、28歳で独立して日本電産を設立。M&Aを繰り返す経営手法で、創業30年余で売上高7000億円超のモーターメーカーに育て上げた。毎朝5時50分に起床し、7時前には出社。夜も10~11時まで働く。「仕事の邪魔になる」と酒もタバコもゴルフも一切やらない。
「経営者は社員の2倍、3倍働かなくてはいけない」が持論。自著『人を動かす人になれ!』では、「創業以来、365日フル出勤、正月もなければ、夏休みもない」と告白する。そんな“効果”からか、同社の08年3月期の営業利益は前期比20%増。今期も2ケタ増益の見込みだ。 (zakzakより)
今はこれでは通用しない。人権と安全第一を会社の理念としないと、経営は成り立たない。だから、「社員を人間扱いしていない。小泉改革以降、社員は『仲間』でなく『道具』になった。これでは連合の高木会長も批判するのは当然である。
しかし、今回は口に出したから問題になっただけであり、経営者の多くは同じことを考えていると思う。声をあげると冷遇されるから、サラリーマンは何もいえない」のが現実なのだ。
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