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2006年9月 7日 (木)

今朝の読売新聞編集手帳より

歌に思い出があり、思い出に歌は語りかけ、そのようにして歳月は静かに流れて行きます。・・・NHKラジオ「ニッポンのメロディー」で、今は亡き中西龍アナウサーが夜ごと聞かせてくれた名調子である。「あなたにとって皇室とは」と、人により答えはさまざまだろう。記憶に寄り添い、ときに記憶のつぶやきを聞いてくれる歌ーーー譜面もない、音も無い歌である。そういう答えも許されるだろう。昭和天皇が亡くなわれた折りには多くの人が、戦中戦後を歩みきたわが身の山坂を顧みたはずである。紀宮さまのご結婚に際して、自信が嫁いた日の晴れやかな胸の波立ちを思い起こした方もあっただろう。性別も障害の有無もしりたくない。秋篠宮や紀子さまは、病院長にそう告げていたという。授かる命がどいう子供であろうとも、この胸に抱きしめるのだ、という父の心、母の心が伝わってくる。紀子さまがきのう男のおこさまを無事出産されました。皇室では41年ぶりとなる男子の誕生でだが、性別よりも、何よりも、父と母にとっては元気な産声にまさる喜びあるまい。すこやかに、伸び伸びと、ひとの心の痛みが分かる人に育っておくれ。初めてわが子に語りかけた遠い日を思い出した方もあろう。皇室の緑が新涼の気に包まれた朝、心の浮き立つ歌を聴いた。

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