北方領土の交渉
外務省のwebには、日本政府の基本的考えは一貫していることだが、日本はロシアより早く、北方四島(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)の存在を知り、多くの日本人がこの地域に渡航するとともに、徐々にこれらの島々の統治を確立してきた。
それ以前も、ロシアの勢外力がウルップ島より南にまで及んだことは一度もなかった。1855年、日本とロシアとの間で全く平和的、友好的な形で調印された日魯通好条約(下田条約)は、当時自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認するものでした。それ以降も、北方四島が外国の領土となったことはない。
今回のイタリアのラクイラサミットで麻生首相は、メドベージェフ露大統領と会談で、どうも気になる両首脳の国民からの信頼度である。ロシアでは、経済不況で失業者が増えているばかりかメドベージェフ支持率も下がってしまっているという。一方麻生首相も10%台では、全く迫力に欠けてしまう。
麻生首相のロシア外交も7回も実績があるという、しかし一貫して日本の主張は振れてはいない。相手の弱みに付け込んで話を有利に進める事ばかり考えると、とんでもない結果になってしまう。交渉は、本腰を入れてあらゆる策を講じて進めるべきと思う。
読売新聞社説・・・領土問題という難交渉で成果を上げるには、日露双方の政治的環境が整っていなかったということだろう。サミットが開かれたイタリアで、麻生首相は、メドベージェフ露大統領と会談した。
焦点の北方領土問題で、大統領は「独創的なアプローチで、あらゆるオプションを検討する用意がある」と述べただけで、具体的な提案をしなかった。「独創的なアプローチ」については、大統領が2月の会談で言及し、今回の会談で具体策に踏み込むことを示唆していた。
「ただのレトリック(修辞)に過ぎない」との見方もあったが、今回の発言は、それを裏付けるような素っ気なさだった。これに対して首相は、ロシアに領土問題で進展を図る用意がないなら、日露両国がアジア太平洋におけるパートナー関係を構築するのは困難だと指摘した。当然のことだろう。
大統領は、具体的な提案が難しい理由として、先に日本の国会で成立した北方領土問題に関する改正特別措置法を挙げた。改正法は領土返還運動の財政支援の強化が目的だ。北方領土は日本の「固有の領土」と改正法に明記していることに対し、大統領は「ロシア議会を中心に激しい反応が出ている」と指摘した。
しかし、北方領土が、歴史的にも国際法上も日本の固有の領土であることは、日本が一貫して主張してきたことだ。ロシアの国内経済は依然として低迷している。失業者が急増し、各地でデモも相次いでいる。大統領の支持率も下落した。大統領は内政に足を取られ、議会の強硬論に配慮せざるを得なかったのではないか。
日本国内の政治状況も影響していよう。自民党内から退陣要求が出るなど、政権基盤が揺らいでいる首相を相手に交渉しても、得るものは少ない、と足元をみられた側面は否定できない。
日本政府の方針は、北方4島の日本への帰属をロシアが認めるなら、返還の時期や方法は柔軟に対応してよい、というものだ。この原則を維持し、腰を据えて打開の糸口を探っていくしかない。政府は、領土問題を動かす“呼び水”として、経済協力の拡大にも前向きな姿勢をみせてきた。
エネルギー協力など相互利益をもたらす分野は今後も拡大を図るにせよ、経済協力だけが先行して領土問題が置き去りにされることがあってはなるまい。
| 固定リンク


コメント