「クリーンエネルギー」対「名湯守れ」 草津温泉の騒動
利害関係は、人間が価値判断するものであるが、正しい真理一つである。どちらにも言い分は一理ある。まあ・・・こういう問題は日本中どこでも起きている。人間の知恵で解決するには話し合いである。結果ではない。
朝日新聞の注目トピックス欄・・・高原キャベツの特産地・群馬県嬬恋村が打ち出した地熱発電所建設構想に、名湯で知られるお隣の草津町が「ボーリング調査でさえ草津温泉の源泉に悪影響を及ぼす。名湯の危機だ」と猛反発。行政訴訟も視野に入れての大々的な反対活動を検討し始めている。
「日本の貴重な温泉文化の中心、草津温泉の危機が迫っています」。草津温泉のシンボル「湯畑」の前で9月1日朝、地元の旅館協同組合青年部や女将(おかみ)らでつくる「湯の華」会のメンバーが声を上げた。嬬恋村の地熱発電所建設構想に反対する署名活動で、観光客にも協力を求めた。
村が構想を明らかにしたのは今年2月。「村地域新エネルギービジョン策定等事業報告書」に盛り込んだ。地下のマグマによって温められた地下水や蒸気でタービンを回し、電気を作り出すという青写真を描く。この中で、草津白根山ふもとの石津地区と西南の鹿沢地区の2カ所での建設に言及。石津地区での構想が草津町を刺激した。
同地区が、草津温泉全体の60%を供給している万代鉱源泉から南に3.5キロしか離れていないからだ。
地熱発電所の建設には、地中を深く掘り下げる作業が伴うから、地下水の流れの変化や掘削地点近くの源泉の湯量の減少、湯温の低下などの影響が懸念される。実際、5月と6月に東北地方や九州で稼働している地熱発電所の周辺の一部温泉を視察した町議や町幹部は、温泉の湧出(ゆうしゅつ)量の減少を目の当たりにしたという。
草津町は「万代鉱源泉にもしものことがあったら」と反発。福田信夫・副町長は「草津の温泉施設で働いている村民も多いのに」と雇用関係にも触れながら怒る。
一方、嬬恋村の熊川栄村長は「構想が実現した暁には電力を売って村の収入に」と構想を村の財政健全化の一助にと考えている。今年3月には、建設段階になると補助金が出る独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」に、建設を前提にした資源調査の委託対象にしてくれるよう提案。6月にいったん却下されたが、「クリーンエネルギーとして、これからも検討する」と村長にめげる様子はない。
報告書が町に渡された今年3月末、中沢敬・草津町長はすぐさま、ボーリング掘削の許可権を持つ大沢正明県知事に反対の意思を伝えた。福田副町長は「訴訟を起こして対抗することも検討する」と強硬だ。これに「過剰反応だ」と応酬する熊川村長は、構想に磨きをかける構えだ。(原裕司)
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