東シナ海の油田開発
今日の新聞各紙の社説には、東シナ海油田開発問題で一定の前進があったと評価した内容だった。北東アジアの和平は、重要な事である。小泉前政権では、靖国参拝問題で、ナショナリズムが絡む問題があって、交渉は進まなかったが、今回胡錦濤国家主席の訪日し福田康夫首相と会談によるもので、事務方でまとめていたが、大筋で合意した。
共同開発は日中が共同探査を行い、同意した地点を選択する。日本の開発参加に関しては、出資比率や利益配分などは今後の交渉で詰めるという。継続協議となった他のガス田の扱いも含め、互いに誠意をもって交渉を進めてほしい。
朝日新聞の内容 日中関係の懸案のひとつに、ようやく解決の道筋がついた。東シナ海のガス田について、一部を共同開発することなどで両政府が合意したのである。 海底資源などの権利を主張できる排他的経済水域(EEZ)の線引きに絡んで、長くもめていた問題だ。やっかいな線引きを棚上げし、なんとか妥協にこぎつけたのはよかった。
合意の対象は2カ所の開発だ。すでに稼働直前の段階にある白樺(しらかば)ガス田(中国名、春暁)について、日本側が中国の開発会社に出資し、出資比率に応じて利益を分ける。もう一つは、日本側が主張する両国沿岸からの中間線をまたぐ海域で、新たに日中折半で共同開発する。
双方が日中関係の全体をにらんで歩み寄ったということだ。100%中国資本で進めてきた開発に日本の参加を認めるのは中国側の譲歩だが、出資比率の交渉はこれからだ。日本側もこの2カ所以外の開発については明確な言質をとらなかった。
この問題は5年ほど前、中国側が中間線付近で一方的に開発を始めたことから急浮上した。当時、小泉首相の靖国神社参拝などで関係が険悪化した時期だったため、両国のナショナリズムがぶつかり合う形になってこじれた。
そもそもEEZは、沿岸から200カイリまでを主張できるのが基本的な国際ルールだ。だが、日中のように地理的に接近していると双方の200カイリが重なってしまい、どこに線を引くかで利害がぶつかることになる。
日本は、両国の沿岸からの中間をとってEEZの境界とするよう提案している。一方、中国は大陸棚が続くところまで沿岸国の権利は及ぶとの理屈から、沖縄の近くまでを中国側とするよう主張している。
一時は、中国側がガス田近くの海域に軍艦を出動させて示威行動を見せたり、日本側も日本企業に開発許可を与えたりして緊迫したこともあった。 結局、今回の合意は線引き問題に触れなかった。双方の主張が平行線のままなのは変わらない。
それでもこうした妥協の形ができたのは、福田首相と胡錦濤国家主席の政治的な決断があったためだ。部分的に譲歩しても関係改善の流れに弾みをつけた方が、お互い利益が大きいという大局的な判断だ。 北京五輪を前に対日関係を安定軌道に乗せておきたいとの中国側の思惑もあったに違いない。
温家宝首相が「東シナ海を平和の海に」と和解を呼びかけて2年がたつ。決着までこれだけの年月がかかったところに、ナショナリズムが絡む問題で妥協することの難しさが見て取れる。 原則での対立は横に置いて、大局で手を結ぶ。そんな現実的な知恵をほかの懸案でも働かせてもらいたい。
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コメント
>>一時は、中国側がガス田近くの海域に軍艦を出動させて示威行動を見せたり、日本側も日本企業に開発許可を与えたりして緊迫したこともあった。
中国と日本の対応を同列に論じるのはすごい社説ですな。
日本が自衛艦を派遣すれば大抗議するくせに中国の軍艦派遣は容認しているとしか見えません。
投稿 aoba | 2008年6月19日 (木) 21時42分