アラキドン酸 脳の働きに重要な役割
この頃よく、人の名前が出てこない、どこに置いたか思いだせない…。最近そんなことが多くなったようだ。仕方がないと、あきらめているが、 脳に関する最近の研究から、モノ忘れなどの『物忘れ現象』には、アラキドン酸(ARA)が深くかかわっていることが分かってきたそうだ。
最新の研究によると、同じ必須脂肪酸のアラキドン酸が、脳の健康(ブレインヘルス)に重要な役割を果たしていることが明らかになってきたのだ。
人が生きていくうえで欠かせない、必須不飽和脂肪酸の一つであるアラキドン酸(ARA)が、記憶など脳の働きに重要な役割を果たすことが確認されたという。
アラキドン酸は、母乳やレバー、卵黄にわずかに含まれるが、それだけでは不十分という。このため食品からリノール酸を摂取し、体内でアルキドン酸を合成する。ただ高齢者や乳幼児では合成する酵素の働きが弱く、合成量が少ない。
(熊本日日新聞2004年6月16日夕刊掲載) ⇒(くまにちコム)
サントリー(大阪市)は一九九三年、微生物発酵技術を使い、高濃度のアラキドン酸を含む食用油脂の製造に世界で初めて成功。同社健康科学研究所(大阪府島本町)は、この食用油脂を使って、杏林大、京都大、大阪大などと、アラキドン酸の効能に関する共同研究を進めている。
この中で健康な高齢者二十人に対し、アラキドン酸含有の油脂を、一カ月間、毎日摂取してもらい、摂取前後の認知能力を比較した。その結果、油脂摂取後の高齢者は、摂取前より有意に認知能力がアップ。同時に認知能力が高まった高齢者ほど、血中のアラキドン酸の量が増えていた。“若返った”わけだ。 一部の高齢者ではうつ症状の改善効果もみられた。
ラットを、アラキドン酸含有の油脂を二カ月間投与した老齢ラット群、普通のエサを与えた老齢ラット群、若齢ラット群の三グループに分類。墨汁を入れた水槽の中に木の台を置いて、ラットが台をみつけるまでの時間を測って、学習能力を調べる実験をした。
水槽に入れたラットは、最初は泳ぎ回った末に台にたどり着く。何回も繰り返すうちに、台の場所を覚え、たどり着く時間が短くなる。実験では、アラキドン酸を食べた老齢ラット群は、普通のエサのラット群よりたどり着く時間が短く、中には若齢ラットを上回る老齢ラットもいた。
さらにラットの脳神経に電気刺激を与えて、神経反応をみる実験も試みた。ここでもアラキドン酸含有の油脂を食べたラットは、刺激に対する反応が有意に改善した。
いろんな病気の原因になる活性酸素で傷つけられた神経細胞膜が、アラキドン酸で修復されたとみられる。ただ同健康科学研究所は「アラキドン酸だけを過剰に摂取するのは好ましくない」と指摘している。
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