2009年7月10日 (金)

病室の窓から

05detohama11兄が倒れ入院は6月4日である。ICUに20日間おり、一般病棟に入ったが、懸命の治療と、家族の願いで、ようやっと、延命装置の管が外された。

しかし、食事はできない。そして言葉が出ない、だから会話が成り立たない。病室のガラス窓から、曇り空を「ジー」と見つめていた。何を思い、考えいるか想像すしかない。

私は、2・3歳の頃、兄におぶさった記憶がある。そして、愛国行進曲の「みよ!東海の空明けて~」と覚えてしまったくらいに、よく「子守」をしてもらった。のだろう?

窓から見える空を眺め、遠い昔を思い出しているのかなぁー・・・・。時々目を瞑り、涙している。きっと思い出しているのだろう!この歌昭和13年というからずいぶん昔となってしまった。

何とか元気になって欲しい、生命力と治癒力で三途の川を渡り始めた兄を「蘇生」したようだ。しかし、1ヶ月の闘病ですっかり衰弱してしまった体力は復元には、時間が掛かるだろう
 
  見東海の空あけて  
 旭日(きょくじつ)高く輝けば
 天地の正気(せいき)溌剌(はつらつ)と
 希望は躍る大八洲(おおやしま)
 おお晴朗の朝雲に
 聳(そび)ゆる富士の姿こそ
 金甌(きんおう)無欠揺るぎなき
 わが日本の誇りなれ

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「美しい」は心がある

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今日の名言

良心の自由ほど魅惑的なものはないけれど、またこれほど苦しいものはないのだ。
ドストエーフスキイ『カラマーゾフの兄弟』

07rose_ame21もう何もするなと死出の薔薇持たす 平畑静塔

前書に「三鬼の死に」とある。確かにこういう人はいるな。いつも忙しそうに飛び回って、何か常に画策している。その人の生きる本筋とは無縁のようなことについても懸命にやる。時にフィクサーと呼ばれ、関係のないことにも必ず名前があがる。

西東三鬼という人もそうだったのだろう。新興俳句弾圧の折には三鬼スパイ説なんてのもあったし、俳人協会を設立して現代俳句協会から主要俳人を引き抜いたのも三鬼らしい。この人の無頼な生き様は自叙伝『神戸』『続神戸』からもうかがえる。女性関係の奔放さも。静塔と三鬼はいわば盟友。戦後、山口誓子を担いでの「天狼」設立の主要メンバーである。

精神科医である静塔は盟友三鬼を「いつも忙しく動いてないでたまにはゆったりしろよ」という眼で見ていたに違いない。こいつ、性分だからしょうがないなという友情で見ていたのかもしれない。もう何もするなと心の中で呼びかけながら棺の中に薔薇を置く。菊ではなくて薔薇というのも三鬼にふさわしい。

政治家や芸能人の葬儀でよくある「あの世ではどうぞゆっくりお休みください」というのとは違う。「もう何もするな」の命令調に滲む友情と悲しみ。『現代の俳人101』(2004)所収。(今井 聖)

道ばたで ささやき合って ダリアかな

津久井に車でよく出かける。トンネルを抜けると、道路の路肩(土手)にダリアが植えられている。先だって通ったら、真紅の花が咲いていた。何かとなりどうしでささやき合っているようで、ちょっと車のハンドルを握り締めた。

大きな葉に、大胆な大きな花は、スペインのフラメンコダンサーを思い出す。虐げられたものたちの心の叫びから生まれたフラメンコは、どうにもならないほど強烈な感情を表現する。

虐げられた、長い時代から開放されて、爆発的な感情を発散しているようでダリアの花を見て、フラメンコのダンサーを連想してしまった。

「美しい」という言葉には、心が入っている。美しい花が咲いているのを見ているとそれまでに厳しい試練を潜り抜けて立派な花になる。「きれい」とは違う。

自然も、人間もそうだ。「美しい」と感動が溢れ、涙する位になる経験がしばしばある。その感動をいつも持つように心がけることが、生きる上で大切なことである。今ある存在を認め、相手を思いやる優しい心が大事だ。

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2009年7月 9日 (木)

ラクイラサミットが開催

Sunflower_0041イタリヤのラクイラといえば、今年の4月に大地震があったところ。イタリアサミットは、ベルルスコーニ首相のアイデアで、あえてラクイラを選んだ。「2億2000万ユーロの費用を節約し、大地震の復興に役立てたい」との思惑からだという。しかし、地震の被害地への直接効果は表れないようだ。

イタリア中部のラクイラで300人以上の犠牲者を出した大地震。今も、傷跡は依然生々しく、いまだ手つかずとなっているところも多く見られるという。

それにしても、今や世界経済はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)なしでは語られない。果たして、G8で経済・地球温暖化・核軍縮など左右する決め事も、効果を発揮できるのだろうか疑問視する人は多いだろう。

読売新聞社説・・・世界同時不況や気候変動など地球規模の課題への対応をめぐり、各国首脳協議の新たな枠組みを模索する動きが活発になっている。

主要8か国(G8)の「限界論」もささやかれる中、主要国首脳会議(サミット)が3日間の日程で開幕した。新興国やアフリカ諸国など19か国の首脳も参加する。

G8が、今後も懸案解決の有効な枠組みとして機能し続けるには、新興国や途上国との間で、実効性のある政策協調を進められるかどうかがポイントになる。

経済・金融の分野は、9月に米ピッツバーグで開かれる世界20か国・地域(G20)サミットに向けて、各国の取り組みを中間的に評価することが中心議題だ。

気候変動問題では、温室効果ガスの主要排出国17か国による「主要経済国フォーラム」(MEF)の初の首脳会合が、サミットに合わせて開かれる。
これらの課題にG8だけで有効な処方箋を示すことは、もはや困難だ。

世界経済の牽引役であり、温室効果ガスの大量排出国でもある中国や、インドなどの新興国を交えた枠組みが欠かせない。
だが、G8が役割を終えたと見るのは早計だろう。G20やMEFは、参加国が多すぎて議論が拡散しがちだ。そのうえ、新興国の対応には、疑問な点が少なくない。例えば気候変動問題で、中国やインドは、温室効果ガスの削減義務が課せられることを、事実上拒んでいる。

BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が先月開いた初の首脳会議も、先進国への対抗心が目立ち、地球規模の課題に率先して取り組む姿勢は希薄だった。

新興国が、世界経済でも環境の分野でも、応分の責任を果たすよう働きかけることが、G8に課せられた重要な役目であろう。実のある合意に到達するよう、G8が議論を先導する必要がある。

27か国が一堂に会するサミットは、G8と新興国の対話など様々な顔ぶれの会議が開かれ、2国間会談も頻繁に行われる。サミットの形骸化を指摘する声もあるが、首脳が集まって率直な意見交換をすることは、懸案の解決にはきわめて重要だ。

日本はアジアで唯一のG8メンバーである。地域の平和を脅かす北朝鮮の核問題について、各国の理解を深めるチャンスだ。

麻生首相は、一連の会議や2国間会談でこの問題を積極的に取り上げ、北朝鮮への国際圧力の強化につなげてもらいたい。

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金魚売り

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今日の名言

私の理論によって批判されるのは、臆病や不精や怠惰によって漫然と不法を甘受する態度だけである。

イェーリング『権利のための闘争』

271_2ちんぐるま眼の奥の涼しかり 本郷をさむ

ちんぐるま(稚児車・イワグルマ)は高さ十センチほどの茎の先に白い五弁花をつける高原の花だそうだ。山道でふと目に留まる花の名前を知りたいと思うけど植物図鑑の付いた電子辞書を持っていてもなかなか調べがつかない。何かいい方法はないだろうか。

出会った植物を名前で呼びかけると、格別の親しみを覚えることだろう。岩蔭に咲いている可憐な高山植物を囲んで楽しそうに談笑している一行に「どうぞ、お先に」と道を譲られると、頂上を目指してやっきになっていた気持ちも歩調も緩んでくる。

高山では植物が育つのに平地に比べて何倍も時間がかかるという。山頂付近に群生するちんぐるまを見つつ、山の冷涼な空気に触れていると、都会にいるときより自分の眼が澄んできて遠くまで見渡せそうな気分になるのだろう。この「涼し」にそんな清々した気持ちも含まれているように思えた。『物語山』(2008)所収。(三宅やよい)

駆走る 幼児の先に 金魚売り

夏の風物詩、「きんぎょやーきんぎょ」と横丁を回り歩く、金魚売りの声が聞こえてくる。最近は「とんと」少なくなってしまった。

子供ころ、金魚売りの声が聞こえてくると、子供たちは一目算で駆け寄った思い出がある。2・3匹買ってきて、小さなビンに入れて飼うのだが、餌を沢山与え過ぎてしまうのか直ぐに死んでしまう。母親に怒られた記憶がある。

自転車に旗をなびかせ、「チリーン・チリーン」と金を打ち鳴らして、町をキャンデー売りが来る。駆け寄って、アイスキャンデーを買って食べた。冷蔵庫も、扇風機もない時代である。

最近は「エコ」ブームである。あの頃の時代に戻れば、地球温暖化は目標は達成できると思うのだが?そうは簡単にいかない。今朝は、昔の夏の風景を思い出し記してみた。

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2009年7月 8日 (水)

中国新疆ウイグル自冶区の暴動

Sira71中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチは、「美しい牧場」という意味のシルクロードのオアシス都市だ。

中国と言えば世界第2位の経済大国までなって人口は13億人と言われている。歴史的にも少数民族の争いは、絶えなかったようだ。今回も、昨年の北京オリンピックの都市にチベット自冶区で起きた暴動や今回の暴動には、民族・宗教の争いからの衝突からだ。これからの中国の発展と安定維持は、世界から注目される。

この地域は18世紀に当時の清朝に征服され、19世紀に新しい領域という意味の「新疆」と名付けられた。1930年代から40年代にかけては、ウイグル族による「東トルキスタン」建国を目指す独立運動が2度あった。

新中国の新疆ウイグル自治区となってからは、漢族移民が急増した。文化大革命中にはイスラム寺院が破壊されたり、教典が焼却されたりして、ウイグル族は不満を募らせてきた。

自治区は国防のうえで重要な国境地帯にあり、全国土の6分の1を占める。石油や希少金属などの鉱物資源にも恵まれている。中央政府は領土保全を優先するあまり、そこで暮らす人々の心情への配慮を怠ってきた。

1949年には自治区に25万人しかいなかった漢族が、今は800万人を超える。軍人を含めれば最大の民族集団といわれている。ウルムチではすでに漢族が人口の大半を占める。

毎日新聞社説・・・中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで大規模な民族暴動が起きた。当局の公表した死者数は150人を超え、負傷者は1000人以上。死者数では昨年春のチベット暴動を上回る。

暴動後、警察が多数のウイグル人を連行したため新たな抗議デモが起きている。一方、漢民族の対抗デモも起き、民族対立の不穏な様相だ。

中国は今年秋に建国60周年を迎える。いまや世界第2位に迫る経済大国に成長した。だが、チベット、ウイグルという建国以来の民族問題をいまだに解決できないのは、民族自治を尊重しようという寛容さに欠けているからではないか。

 今回の暴動の背景にあるのは、少数民族に対する人権抑圧だろう。主要8カ国首脳会議に出席する胡錦濤国家主席は、国際社会に向かって武力弾圧一辺倒ではない問題解決の道筋を示してもらいたい。

 事件の全容はまだ明らかでない。これまでの報道によると、発端は広東省で起きたウイグル人出稼ぎ労働者襲撃事件への抗議行動である。インターネットを使った呼びかけに応じて、ウルムチ市内の公園で抗議集会が開かれた。それを鎮圧しようとした警備当局と衝突になり、暴徒化したウイグル人が漢族の通行人を襲い、バスなどに放火したらしい。

昨年、カシュガルで起きた国境警備隊襲撃事件については、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)によるテロとされ、イスラム教徒の弾圧監視が行われた。

今回は、亡命ウイグル人で組織する世界ウイグル会議(本部ドイツ)が主導した国際陰謀のせいにしている。だが、人権侵害に対する抗議行動を警備当局が力で抑えつけようとしたのがそもそもの原因ならば、ウイグル人の不満解決なしに治安が回復することはないだろう。

ウルムチはウイグル人の居住地区と漢民族の居住地に分かれている。言語、宗教、生活習慣が違うだけではない。民族の違いによる所得格差が歴然としている。同じことはチベットでも言える。民族自治区域において、その土地の少数民族が貧しく、外来の漢民族が豊かなのは、民族政策に問題があるのではないか。

治安の悪化は、少数民族地域だけではない。中国全土で住民と警察の衝突が増えている。1000人を超えるデモや集会は5月だけで約2万5000件に達し、過去最高記録を更新したという。人権侵害への抗議や労働争議が増えたためだ。

世界が中国の成長力に注目している。中国の成長維持は、社会の安定を維持できるかどうかにかかっている。社会の安定をはかる真の力は武力ではない。寛容な政治である。

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